パーマリンク変更後にエラーが出る/アクセスできないときの対処法

この記事はこんな人向けです
  • パーマリンクを変更したら 404/403/500 エラーが出て、投稿や固定ページにアクセスできなくなった
  • リダイレクトループ(ERR_TOO_MANY_REDIRECTS) やトップは表示、個別ページがNGという症状で困っている
  • .htaccess や Nginxのrewrite、キャッシュ/CDN/SSLあたりの用語が出てきて不安になっている

WordPressレベル別 対応難易度

Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7
レベル判断は、右のレベル表(スマホは画面下)を参考にしてください。

赤:外注推奨 オレンジ:条件付き自力可 緑:自力対応可

パーマリンク変更後エラーの全体像と対応方針

WordPressのパーマリンク変更後に起きるエラーの多くは、リライトルール(.htaccess/Nginx) と キャッシュ(プラグイン/CDN/ブラウザ)、そして URL統一(www/非www・http/https) の不整合が原因です。
焦って設定をいじり回すと悪化しやすいので、まずは「何が変わったか」を整理し、低リスクの順に確認していきましょう。

パーマリンク変更後にエラーが出るとき ~WordPressレベルごとのおすすめ対応

無理に触らず、症状の整理に徹するのが最短ルート

赤レベルの方は、設定を元に戻す などの復旧操作は基本的におすすめしません。やみくもに触るほど、リダイレクトの二重化.htaccess破損 が起きやすく、かえって復旧コストが上がります。

この段階でやることは、次の3点のメモだけでOKです。

  • どのURLでどんなエラーが出ているか(例:/news/123 が404、/sample-page/ がリダイレクトループ)
  • 直前の変更内容(パーマリンクの「投稿名」に変更、またはカスタム構造 /%category%/%postname%/ に変更 等)
  • 利用中のキャッシュプラグインやCDN(WP Fastest Cache、LiteSpeed Cache、Cloudflare など)

ここまで整理して外注先へ渡せば、原因特定がかなりスムーズになります。復旧を急ぐなら外注推奨です。

低リスクの基本確認から

オレンジレベルなら、ダウンタイムを最小にしつつ、次の 低リスク手順 を試してみてください。リスクの高くなるコード編集やサーバー関連の設定は、不要の範囲に留めましょう。

  1. ブラウザ/プラグイン/サーバーのキャッシュをクリア
    ブラウザのシークレットウィンドウで再確認します。WPのキャッシュ系プラグイン(LiteSpeed Cache, WP Super Cache など)は「全消去」する。サーバー側やCDN(Cloudflare等)もパージ(削除)できるなら実施してください。
  2. パーマリンク設定を“再保存”
    管理画面 > 設定 > パーマリンク設定 で、現在の設定のまま「変更を保存」します。これで リライトルール(.htaccess) が再生成され、404が解消するケースもあります。
  3. トップは表示、個別ページだけ404の場合
    固定ページ1本を「サンプルページ」として公開し、新旧URLの両方を試してください。カテゴリ/タグ/著者アーカイブも確認し、特定の構造だけNGなら スラッグ・階層・日本語URL 周りを疑います。
  4. wwwあり/なし・http/httpsの統一
    「http→https」「wwwあり→なし」等を同時に変えた場合、二重リダイレクト になりがちです。サイトの正規URLを1つに決め、他は301で統一してください。混在はループの元です。
  5. Search Consoleのサイトマップ再送信
    URL構造が変わったら、クローラに早めに伝えましょう。インデックス未反映=表示不可 ではありませんが、早期の再クロールに役立ちます。

ここまでで直らない場合、.htaccessやサーバー設定、DB値の不整合が関わっている可能性が高くなります。無理に踏み込まず外注を検討してください。

深掘りチェック(コード修正は書かず“何を見るか”を列挙)

サーバー/CLIが扱える前提で、障害範囲を速やかに特定します。作業前バックアップ必須

  • .htaccess(Apache)/Nginxのrewrite確認
    WordPress標準ルールが生成されているか。上位ディレクトリの .htaccess やサーバー共通設定で 二重リダイレクト・正規化設定の重複 がないか。マルチサイト環境は専用ルールを再確認。
  • URL正規化の衝突
    wp-config.php、テーマ/セキュリティ系プラグイン、WAF/CDN(Cloudflareの「Always Use HTTPS」や「www強制」)で 多段リダイレクト が起きていないか。正規URLは1箇所で決め、他は従属させる。
  • DBのURL関連
    wp_options の home / siteurl の不一致、有効なプロトコル(https)とホスト(www有無)。シリアライズ値(ウィジェット/メニュー/ビルダー)を含む 文字列置換の副作用 に注意。
  • 固定ページ/投稿のスラッグ重複
    同名スラッグが 親子階層やカスタム投稿タイプ 間で競合していないか。添付ファイルページ の自動生成が干渉する例も。
  • REST API/固定リンク構造のモジュール依存
    FastCGI/LiteSpeed環境、モジュール不足(mod_rewrite等)で パーマリンクが常に404 になるケース。エラーログで rewrite/permission 周りを重点確認。
  • 大規模キャッシュの整合性
    オリジン・CDN・ブラウザの 3層キャッシュ が古いルールを保持していないか。Edgeキャッシュのキー(Host/Protocol/Path/Query)設計も見直し。
  • 一時的な301/302設定の棚卸し
    プラグイン(Redirection等)、サーバールール、CDNルールで 重複/相互リダイレクト がないか。暫定で貼った302が残留していることも。
  • WP-CLIでの一括確認
    検索置換のドライラン、パーマリンクのフラッシュ、キャッシュプラグインのフラッシュ、オブジェクトキャッシュのクリア、ステータス収集の自動化 で復旧時間を短縮。

なお、トップだけ生きて個別がNG は rewrite/正規化/キャッシュの“三位一体ミス”の典型。ログ+HARファイル があると追跡が早いです。

外注する場合のポイント

パーマリンクは SEO・計測・共有URL に直結するため、復旧と同時に 恒久対策 を整えるのが理想です。ここでは費用感と流れ、準備物をまとめます。

項目ポイント
費用の目安 ・軽微:10,000~20,000円(パーマリンク再生成/キャッシュ整合)
・中規模:20,000~50,000円(.htaccess/Nginx調整・正規化設計・301マップ作成)
・大規模:50,000円~(CDN/WAF/プラグイン/DBを跨ぐ総合調整、影響範囲が広い場合)
依頼の流れ 1. 症状と直前変更の共有(URL例・スクショ・いつから)
2. 調査範囲と見積の合意(復旧+恒久対策のセットがおすすめ)
3. バックアップ取得 → 復旧作業(リライトルール/正規化/キャッシュ整備)
4. 検収(主要導線の200/リダイレクト/計測の動作確認) → 納品
準備しておくと便利 ・代表的な NG URL一覧(5~10本)と、OK/NGのパターン
・使っている キャッシュ/セキュリティ/リダイレクト プラグイン名
・サーバー種別(Apache/Nginx/LiteSpeed)と CDN/WAF の有無
・(可能なら)エラーログHAR(ネットワーク記録)
まとめ

パーマリンク変更後のトラブルは、リライトルール・正規化・キャッシュ の整合が取れていないことが大半です。
は無理せず外注、オレンジは低リスクの再保存/キャッシュクリアまで、はログ/設定を横断チェックして短時間で復旧が目安です。

復旧後は 301設計・サイトマップ再送信・計測の再確認 までやっておくと安心です。URLは資産なので、変更は計画的に進めましょう。

この記事を書いた人
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桐山智行(株式会社H.T.P. 代表)

2007年よりWeb制作に従事し、現在は企業サイトやWordPressの保守・改善支援も行っています。これまで100社以上・500サイトを超える案件を担当し、トラブル対応から集客サポートまで幅広く経験しています。

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