WordPressサイトをリニューアルするときの依頼の流れ

この記事はこんな人向けです
  • WordPressのサイトリニューアルの進め方を端的に把握したい
  • 見積もり~要件定義~公開までの流れと注意点を知りたい
  • スキルレベル別に外注/自力の線引きを判断したい

WordPressレベル別 対応難易度

Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7
レベル判断は、右のレベル表(スマホは画面下)を参考にしてください。

赤:外注推奨 オレンジ:条件付き自力可 緑:自力対応可

WordPressサイトをリニューアルするときの全体像と対応方針

リニューアルは「見た目の変更」以上に、要件定義・情報設計・移行テスト・SEOの引き継ぎ(301リダイレクト)など多工程のプロジェクトです。
自社の体制やレベルに合わせて、丸ごと外注/一部自力(要件・素材準備・検収など)を組み合わせると失敗しにくくなります。

サイトリニューアル ~WordPressレベルごとのおすすめ対応

全体を外注で設計、意思決定に専念

初心者~基礎操作はできるけど、テーマ選定やプラグイン整理、ブロックエディタ(FSE)やデザインの統一などに不安がある方。
この赤レベルでのボトルネックは、要件定義の漏れ・スケジュール遅延・移行時のデータ破損やSEOダメージです。

おすすめは、要件定義~設計~実装~移行~公開までを外注し、意思決定(ゴール/予算/納期)・素材の準備(ロゴ・写真・原稿)・検収にリソースを集中する進め方です。
見積もりでは、旧URLから新URLへの301リダイレクト設計、計測タグの再設定、フォーム・メール送信テストなど、見落としがちな作業が含まれているか必ず確認しましょう。

要件定義のコツ:
・目的(問い合わせ増、採用強化、EC機能追加など)を数値化して伝える
・ページ構成(サイトマップ)と、各ページの役割を明記
・競合/参考サイトを3~5件共有し、避けたいNG例も出しておく

ここで無理をすると、公開後の差し戻しや不具合対応でコストが倍増しがちです。信頼できる制作パートナーと伴走するのが結果的に最短です。

要件定義・素材準備を自力、実装と移行は外注

投稿や固定ページの編集、プラグインの基本設定に慣れているようなオレンジレベルは、上流の準備を自力で進めるとコストを最適化できます。
具体的には、サイトマップ、ワイヤーフレーム、原稿(SEOキーワードを意識)、写真選定あたりまでを自分で固め、テーマ選定・デザイン実装・移行などを外注する形です。

この進め方のポイント:
・テーマ/ビルダーの選定基準を明確に(速度/Core Web Vitals、保守性、互換性)
・プラグインは機能単位で考え、要/不要/代替案をリスト化
・ステージング環境での移行テスト、画像パス・内部リンク・フォーム送信・検索機能を重点確認
・旧URL→新URLの301リダイレクト表をスプレッドシートで作成(大きく変わるところだけでもOK)

加えて、計測タグ(GA4/タグマネージャ/広告CV)、Search Console、サイトマップXMLの再送信を公開日に合わせて実行できるよう、チェックリスト化しておくと安心です。
オレンジレベルでも、本番切り替えとリダイレクト、メール送信周りは事故が起きやすいので、外注側に最終確認を任せるのが堅実です。

鍵は移行設計と品質保証

開発やサーバー運用経験があり、Git・ステージング・バックアップに慣れているなら、自力でのリニューアルも射程内。
ただし、失敗しやすいのは情報設計(内部導線/CTA)とSEOの引き継ぎ(リダイレクト/構造化データ)です。

自力対応の勘所:
・要件定義→UI設計→デザイン→実装→コンテンツ移行→QA→公開→モニタリングのWBSを作成
・ステージングで画像最適化(WebP/AVIF)、Lazyload、Critical CSSの適用を検証
・301リダイレクト表と正規化(www/https、末尾スラッシュ)の方針を明記
・フォーム/メール、決済や会員機能(導入している場合)、検索、パンくず、サイト内検索の総合QA
・公開直後のログ監視(エラーログ/コンソールエラー)と、Search Consoleのクロールエラー確認

公開後30日程度は、計測の差分(CVR、離脱、LCP/CLS)を追い、仮説ベースで微修正を回すと効果が定着します。
規模が大きい場合は、一部外注(デザイン、コーディング、QA、SEO監修)を混ぜるのが現実的です。

WordPressサイトリニューアルを外注する場合のポイント

外注の価値は、抜け漏れのない進行と移行の安全性にあります。費用感・流れ・準備物を押さえておきましょう。

項目ポイント
費用の目安 ・小~中規模コーポレート(10~30ページ):40~120万円
・機能追加(会員/検索/予約/多言語など):+20~100万円
・スピード案件/既存不具合多め(再設計含む):割増の場合あり
※ 規模・要件・素材準備度合いで大きく変動
依頼の流れ 1. 相談・ヒアリング(目的/課題/期日/予算の共有)
2. 見積もり・提案(サイトマップ/工数/スケジュール)
3. 要件定義・ワイヤー作成(原稿・写真の役割整理)
4. デザイン/テーマ実装(速度/保守性を担保)
5. ステージングでの移行テスト・QA(フォーム/計測/リダイレクト)
6. 本番反映・公開(計測/Search Console/サイトマップ送信)
7. 運用・保守(軽微改修/バックアップ/セキュリティ)
準備しておくと便利 ・目標KPI(問い合わせ件数/採用応募/資料DLなど)
・既存サイトのURL一覧(重要ページは★印)
・写真・ロゴ・ブランドカラー、NGデザイン例
・競合/参考サイト(良い点/悪い点のメモ付き)
・アクセス権限(サーバー/WordPress/各種外部ツール)
・現行プラグインの棚卸し表(機能/代替/削除候補)
まとめ

WordPressサイトのリニューアルは、多くの工程が連動するプロジェクト型の仕事です。レベルに応じて、丸ごと外注か、一部自力での分担かを選ぶと安全に前進できます。

:外注で全体設計を任せ、意思決定と素材準備に集中、オレンジ:上流準備は自力+実装・移行は外注、:自力でも可だが移行とQAは厳格に

公開直後は、計測とエラー監視で安定化させ、30日以内に初回の改善サイクルを回せば、成果寄りのサイトに育っていきます。迷ったら、まずは要件の棚卸しから始めましょう。

この記事を書いた人
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桐山智行(株式会社H.T.P. 代表)

2007年よりWeb制作に従事し、現在は企業サイトやWordPressの保守・改善支援も行っています。これまで100社以上・500サイトを超える案件を担当し、トラブル対応から集客サポートまで幅広く経験しています。

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