ワードプレス制作代行の流れを初心者向けに解説

この記事はこんな方におすすめ

  • 初めてワードプレス制作代行を考えていて、流れを知りたい方(まずは全体像を把握したい)
  • 依頼の前に「何を準備すればいいか」「どこまで任せられるか」を整理したい方
  • 見積もりの見方や、検収~引き継ぎまでのチェックポイントを失敗なく進めたい方

WordPressレベル別 読みどころガイド

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赤:外注依存度「高」 オレンジ:外注依存度「中」 緑:外注依存度「低」

この記事はあなたのWordPressレベルによって見解が異なります。
右のレベル表(スマホは画面下)を参考に、記事内の「赤・オレンジ・緑」のパートを読み分けてください。
※「外注依存度」とは、作業や確認を自分でどこまで対応するか、もしくは外注に任せるかの度合いを示しています。

ワードプレス制作代行の流れに関する基本

ワードプレスの制作代行の流れは、基本的に「目的共有 → 要件整理 → 見積・提案 → 実装 → 検証 → 本番反映 → 引き継ぎ・保守」の大きな7ステップで進みます。
各ステップで「誰が何を決めるか」「どの資料が必要か」を決めておくと、手戻りや追加費用を大きく減らせます。
本記事ではレベル別に押さえるべき確認ポイントと準備物をまとめ、初心者でも迷わず進められるように解説します。

制作代行の流れ ~WordPressレベルごとの確認ポイント

丸投げでもOK。ただし最初の前提はブレさせない

赤レベルの方は「制作会社がサポートしてくれる前提」で進めるのが安全です。
目的・納期・予算上限だけは最初に固め、細かい仕様は提案を受けながら詰めていくことをおすすめします。途中で方向転換が起きやすいのは、素材(原稿・写真)と判断基準が曖昧なときです。判断に迷う部分は、選択肢とメリット・デメリットを提示してもらいましょう。

確認ポイント

  • ゴールの一言定義(例:お問い合わせを月20件、採用応募を月5件 など)を最初に共有
  • 禁止事項やNG要素(ブランドトーン、表記ゆれ、避けたい表現・色)を早めに提示
  • 見積もりは「一式」ではなく作業内訳+前提条件+除外範囲で出してもらう
  • コミュニケーション設計(連絡手段・窓口・応答SLA・週次進行の有無)を固定
  • 検収時のOK/NG判定基準(動作・表示・スピード・文言)をざっくりで良いので決める

費用の目安

  • 小~中規模サイトの新規構築で30~80万円(素材準備度・納期短縮で増減)
  • ヒアリング/要件整理サポートに数万円~十数万円が上乗せされるケースあり
  • 写真撮影・ライティング・入稿代行は別費用になりやすい(早めに要否を決定)

準備しておきたいもの

  • 会社・サービスの一言紹介、USP(ここだけは負けない点)
  • 参考サイト2~3例(好き/苦手の両方)と「どこが良い/避けたいか」のコメント
  • 初回に提示できる素材:ロゴ・ブランドカラー・既存パンフ・掲載予定の写真

一部は自分で管理。要件の粒度次第でスケジュールが安定

設定や軽い修正なら自分で触れるオレンジレベルの方は、ワードプレス制作代行の流れの中でも、要件整理と検証をしっかり握ると、スケジュールが乱れにくくなります。
仕様の“曖昧ゾーン”を残したまま着手すると、後工程での差戻し(=追加費用)になりがちです。Must/Should/Won’t(絶対必要・あれば嬉しい・いらない)で機能を三段階に仕分けてから見積もりに入るのが、後のトラブルを避けるコツです。

確認ポイント

  • 要件の粒度:画面一覧、各ページの目的、フォーム項目、サンクス導線、計測要件(GA4/広告)
  • 非機能:表示速度の目標(LCP/CLS/INP)、対応ブラウザ・端末、アクセシビリティ方針
  • デザイン進行:ワイヤー→デザイン→プロトタイプ→デザインFIXの段階と承認ゲート
  • 検証体制:ステージングURL、テスト観点(フォーム、検索、表示崩れ、速度、計測発火)
  • 納品:成果物一式・改修差分・ロールバック手順・更新マニュアルの範囲

費用の目安

  • 10~20ページ規模で40~100万円(機能追加の有無で上下)
  • 予約・会員・多言語・外部連携などは、要件の明確さで見積もりブレ幅が変動
  • 検証・修正ラウンドは「◯回まで」「範囲限定」で合意しておくとコストが安定

準備しておきたいもの

  • ワイヤーフレーム(Figma/画像/手書きOK)とUI要件(ボタン優先度・フォームの必須/任意)
  • 原稿ドラフト→最終の2段階運用、素材台帳(画像/動画/ロゴの出所と権利)
  • 現環境の棚卸し(サーバー、PHP/WPのバージョン、使用テーマ・主要プラグイン)

仕様で発注し、進行はチケット駆動。差分で見積もる

要件定義や運用の知見がある緑レベルの方は、仕様→チケット→レビュー→デプロイで流れを固め、見積は差分単位で依頼。デザインだけ、APIだけなどの分業もやりやすくなります。運用前提の継続改善を見据え、計測・ABテスト・運用ガイドラインを初期からセットしておくと費用対効果が高まります。

確認ポイント

  • 要件票(機能/非機能/権限/入力定義)、画面遷移、バリデーション、状態管理
  • ブランチ戦略・CI/CD・デプロイ手順、環境変数・シークレット管理
  • 受け入れ基準(DoD):速度・計測一致・アクセシビリティ・エラーハンドリング
  • 障害時のロールバック手順とSLA、ログ/監視(エラーログ、パフォーマンス、稼働監視)

費用の目安

  • 要件が固いほど見積もりブレは小さい(設計/デザイン/実装を分離して最適配分
  • 部分外注:デザイン一式10~40万円、機能追加10~150万円と振れ幅大
  • 継続改善(運用/計測/AB)を月額で切ると総コストを平準化しやすい

準備しておきたいもの

  • リポジトリ権限・課題管理(Issue/チケット)・レビュー体制(コード/UI/アクセシ)
  • テスト設計(受け入れ観点、端末表、スクリーンショット比較、計測イベント表)
  • 運用ガイドライン(更新ポリシー、脆弱性対応、プラグイン追加基準、キャッシュ/画像最適化方針)

制作代行の依頼フロー(一般的な流れ)

  1. 目的・KPI・期限・予算上限を共有(最初に“ゴールの一言定義”を決める)
  2. 前提情報をまとめて提示(現環境・既存課題・素材・担当体制・参考サイト)
  3. ヒアリング&要件整理(Must/Should/Won’tで機能を仕分け、非機能の目標も設定)
  4. 見積・提案の受領(作業内訳・前提条件・除外範囲・スケジュール・検証範囲を明記)
  5. 契約・キックオフ(連絡手段・窓口・承認ゲート・週次定例・成果物一覧を固定)
  6. デザイン→実装(ワイヤー→デザイン→プロトタイプ→実装の順で段階承認)
  7. ステージングで検証(動作/表示/速度/計測、修正ラウンドは◯回まで等のルールで)
  8. 本番反映(差分記録・ロールバック手順・計測タグの最終確認・バックアップ)
  9. 納品・引き継ぎ(成果物一式・改修差分・運用手順・SLA・保守開始日を確認)

※ レベルに応じた準備(素材の確度・要件の粒度・テスト観点など)を整えてから依頼すると、手戻りと追加費用を抑えられます。

WordPress制作代行の流れに関するよくある質問

制作期間はどのくらい見ておけば良いですか?

小~中規模の新規構築で1~2か月が目安です。素材確定と承認スピード次第で短縮/延長します。要件が固まっていれば、さらに読みやすくなります。

素材(原稿・写真)が未確定でも進められますか?

進められますが、ラフ段階でも良いので初期に仮置きできるとスムーズです。撮影やライティングを外注する場合は、その工数を見積に入れておきましょう。

見積が「一式」しか出てこない場合は?

作業内訳、前提条件、除外範囲、修正ラウンド回数、検証範囲の明示を依頼しましょう。比較のためにも、同条件で2~3社に相見積を取るのがおすすめです。

途中で仕様変更が出たらどうなりますか?

影響範囲の洗い出し→差分見積→合意→着手、の順で進めます。変更管理表(チケット)で履歴を残すと、後からの認識ズレを防げます。

まとめ

ワードプレス制作代行の一連の流れの肝は、各ステップで「決めること」と「準備するもの」を先に宣言しておくことです。ここが固まるほど、見積もりブレやスケジュール遅延は小さくなります。

は丸投げ前提(最初の前提をブレさせない)、オレンジは共同で要件と検証を握る、は仕様とチケットで差分管理、これが基本の見方です。

迷ったら、まずは“目的・期限・予算上限”だけ決めて相談しましょう。要件や素材は一緒に詰めればOKです。
最短で成果に近づく進め方を、状況に合わせて提案してもらうのが失敗しないコツです。

この記事を書いた人
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桐山智行(株式会社H.T.P. 代表)

2007年よりWeb制作に従事し、現在は企業サイトやWordPressの保守・改善支援も行っています。これまで100社以上・500サイトを超える案件を担当し、トラブル対応から集客サポートまで幅広く経験しています。

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