外注にコード修正を依頼するときの準備情報

この記事はこんな人向けです
  • テーマやプラグインのコード修正を外注したいが、何を渡せばいいか分からない
  • functions.php修正やテンプレートの調整、PHPエラー対応をスムーズに進めたい
  • 工数のブレや要件のすり合わせ不足によるやり直しを最小化したい

WordPressレベル別 対応難易度

Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7
レベル判断は、右のレベル表(スマホは画面下)を参考にしてください。

赤:外注推奨 オレンジ:条件付き自力可 緑:自力対応可

外注にコード修正を依頼するときの全体像と対応方針

コード修正の外注は、要件の明文化と再現手順の共有で良し悪しがほぼ決まります。
現象・期待動作・差分(いつから/何をしてから)・環境情報の4点を揃えると、見積もり精度が上がり納期も短縮されます。
外注前提でしたら、自力での切り分けは「ログ取得と現象の記録」までに留め、改修はプロに任せるのがスムーズに進みます。

外注にコード修正を依頼するとき ~WordPressレベルごとのおすすめ対応

「状況の見える化」に全振りしよう

テーマ編集やPHPの基礎にまだ慣れていない赤レベルの方で大事なのは、原因特定に必要な材料を集めることです。改修そのものは外注に任せて大丈夫です。

まずやることは、現象の記録です。エラー画面や崩れている箇所のスクショ/動画(可能ならコンソール開いた状態)を用意し、「期待する見た目/動作」も並べて示します。
そして、差分の記録(発生日時、直前に行った操作:プラグイン追加・テーマ更新・設定変更など)を書き出します。

環境情報は、WordPress/テーマ/プラグイン/PHP/サーバーのバージョンと、利用中のキャッシュやセキュリティ系プラグイン名は必須です。
逆に、これだけで原因の当たりがつき、見積もりと対応が一気に早くなります。

やらないほうがいいのは、functions.phpや親テーマの直接編集、本番環境での試行錯誤、キャッシュ全消し連打です。
バックアップやテスト環境がない状態での変更は、復旧コストを跳ね上げるのでNGです。

軽い切り分けまで実施、改修はスコープを明確に

オレンジレベルの方は、子テーマ運用やテンプレート階層、アクション/フィルターの概念は理解していると思います。
この層は、外注前に「再現条件の最小化」と「影響範囲の見取り図」を作ると強いです。

例えば、プラグイン衝突の切り分け(関連しそうなものだけOFF/ONで再現可否を確認)、テーマ切替での再現確認(標準テーマにすると解消するか?)、デバッグログ/コンソールエラーの採取などです。
ここまでやって依頼すると、改修タスクは「◯◯のテンプレートでA→Bへ修正」「Cのフックで処理を差し込む」など、スコープが明確になります。

見積もり時は、受け渡し物(Deliverables)を言語化しましょう。

例)
「子テーマに◯◯.phpを新規作成」「既存の××.phpにガード処理追加」「JSはenqueueで別ファイル化」「本番反映前のステージング検証含む」など。
テスト観点(表示崩れ/レスポンシブ/既存機能への影響/ログ警告の解消)も箇条書きで提示できるとベストです。

自力でやらないほうが良いラインは、DBスキーマ変更会員・決済・予約などの基幹導線に触れる修正です。
ロールバックの難易度が高く、営業影響が大きい場合は外注一択です。

要件定義を固め、レビュー観点を事前合意

緑レベルの方は、プラグインやテーマの内部構造を読み解ける上級者だと思います。
このレベルでの外注は、実装というよりスピード確保と品質保証のためのリソース補強という位置づけになります。

依頼時は、仕様書(Before/After、制約、非機能要件)テストケースコード規約/ディレクトリ構成/命名規則を提示。
フック戦略(どこで何をフックするか)、テンプレート階層の選定理由、パフォーマンス要件(LCP/INPやクエリ数)も共有し、レビュー観点(Lint/PHPCS/静的解析/PSR互換)を合意しておきます。

成果物の受け入れ条件(エラーログ警告ゼロ、回帰テスト通過、子テーマ差分のみ、WP-CLIでの移行手順書等)を定義し、リリース手順とロールバックをセットにするのが鉄則です。

外注側の稼働を最大化するため、再現用データ/エクスポート最小権限のアクセス情報Issueトラッカーを用意しておくと、初動が非常に速くなります。

外注にコード修正を依頼するときのポイント

「コードが壊れたかも」「自分では直せない」と感じたら、専門業者に依頼するのが確実です。
見積もり精度を上げるための費用感・流れ・準備物を整理しておきましょう。

項目ポイント
費用の目安 ・小規模修正(テンプレ1箇所・軽微なPHP修正)なら 10,000~30,000円
・中規模(複数テンプレ修正・フック実装)で 30,000~80,000円
・大規模(仕様策定や複数機能改修)は 100,000円~
緊急対応・即日対応は割増になることもあります
依頼の流れ 1. 現象・期待動作・差分・環境情報をまとめて共有
2. 見積もりと作業範囲を確認(除外範囲・検証方法・納期など)
3. ステージングで実装→動作確認→本番反映→報告書提出(1~3営業日が目安
準備しておくと便利 ・再現動画やスクリーンショット
・WordPress/テーマ/プラグインのバージョン一覧
・発生した日時と直前の操作(更新・プラグイン追加など)
・ステージングURLや最小権限のアカウント情報
・完了基準(OK/NGの条件)と希望納期のメモ
まとめ

コード修正の外注は、現象(何が起きたか)・期待(どうなって欲しいか)・差分(いつから/何をしてから)・環境(サーバー・WordPressバージョン等)の4点を揃えるだけで、見積もりと修正の精度が段違いになります。

は各種情報の整備に集中、オレンジは軽い切り分けとスコープ明確化、は要件定義とレビュー観点の事前合意が基本方針です。

「本番直修正」「バックアップなし」「権限過多」の三禁を避け、ステージング→検証→本番反映の順で安全に進めてもらいましょう。

この記事を書いた人
著者アイコン

桐山智行(株式会社H.T.P. 代表)

2007年よりWeb制作に従事し、現在は企業サイトやWordPressの保守・改善支援も行っています。これまで100社以上・500サイトを超える案件を担当し、トラブル対応から集客サポートまで幅広く経験しています。

その他のWordPress関連記事はこちら

  • Lv1 初心者 初心者 … ログインなど基本も不安
  • Lv2 基本操作 基本操作 … 投稿OK/更新は不安
  • Lv3 投稿メイン 投稿メイン … 記事更新・差替えはできる
  • Lv4 更新ユーザー 更新ユーザー … テーマ/プラグイン更新経験あり
  • Lv5 データ操作 データ操作 … DBやバックアップを理解
  • Lv6 カスタマイザー カスタマイザー … 子テーマ・CSS修正が可能
  • Lv7 マスター マスター … コード/サーバーまで自走可能