【2026年版】WordPress代理店に依頼する場合の費用相場と選び方
この記事はこんな人向けです
- 「代理店に任せたいけど、費用相場や内訳の妥当性がわからない」人
- 見積比較のポイントや、失敗しない選び方(体制・実績・保守)を知りたい人
- 自分のWordPressレベルに合わせて、どこまで外注すべきか判断したい人
本記事の料金レンジは、2025年末時点の相場をもとにしています。
今後の物価や制作体制の変動により価格帯が変わる可能性がありますが、最新トレンドを踏まえて随時アップデートしていきます。
WordPressレベル別 読みどころガイド
赤:外注依存度「高」 オレンジ:外注依存度「中」 緑:外注依存度「低」
右のレベル表(スマホは画面下)を参考に、記事内の「赤・オレンジ・緑」のパートを読み分けてください。
※「外注依存度」とは、作業や確認を自分でどこまで対応するか、もしくは外注に任せるかの度合いを示しています。
代理店依頼に関する基本
代理店へ依頼する最大の価値は「体制と再現性」です。要件定義・デザイン・実装・検証・保守まで、分業とチェック体制で抜け漏れを減らせます。
一方で費用は「依頼範囲×外注依存度」で大きく変わります。目的・要件・素材・運用の前提を固め、比較条件をそろえて見積もりを受けるのが鉄則です。
急ぎ案件や“丸投げ”ほどコストは上がりがちです。段階発注と小さな検証(PoC)でリスクを抑えましょう。
代理店ではなくフリーランスや小規模制作会社に依頼した場合の費用感も比較したい方は、
こちらの「WordPress制作代行の料金相場(2026年版)」も参考になります。
WordPressレベルごとの確認ポイント
丸投げOK。ただし前提を固めるのが必須
操作や用語がまだ不安な赤レベルの方は、無理に細かい指示を出すより、最初に「目的・期限・予算上限」をハッキリと伝えましょう。代理店側に案を出してもらい、提案比較で意思決定するのが安心安全です。
サイト種別(コーポレート/採用/サービスLP)と、やりたいこと(問い合わせ増・認知拡大・更新のしやすさ等)を一言で言語化して共有しましょう。
確認ポイント
- 目的・KPI・納期の優先度(スピード重視 or 品質重視)
- 好き/嫌いな参考サイト2~3例と理由、NG要素
- 更新体制(誰がどの頻度で更新?)と必要なマニュアルの範囲
- 見積は「一式」ではなく、作業ごとの内訳・前提・除外範囲を明記してもらう
- 担当者の固定・連絡手段・初動時間(SLA)を確認
費用の目安
- 小規模サイト(5~10p):30~80万円前後(テンプレ活用・素材支給で割引)
- “ほぼ丸投げ”や短納期、写真撮影・原稿作成込み:小~中規模で80~150万円程度まで想定
- 追加でSEO初期設定・計測タグ・簡易運用レクチャーを付けると+数万円~、月額が必要になることも
準備しておきたいもの
- 会社ロゴ/ブランドカラー/パンフ等の既存素材
- ページ構成のたたき台(トップ/サービス/実績/お問い合わせ 等)
- 公開希望日・予算上限・決裁フロー(社内承認の回数)
一部は自分で判断。抜け漏れが追加費用に
テーマとプラグインの基礎がわかるオレンジレベルの方は、内訳の妥当性を部分的にチェックできます。
ただし要件の「言った・言わない」が後から発生するケースもあります。Must/Should/Won’tで仕分けし、検証範囲と非機能要件(速度・INP・CLS・対応ブラウザ)を明文化して依頼しましょう。
確認ポイント
- 現状メモ:WP/PHPバージョン、使用テーマ、主要プラグイン、サーバー種別
- 計測:GA4/広告タグ/コンバージョン設定、OGP・構造化データの扱い
- 検証体制:ステージング有無、ブラウザ・端末対応表、受け入れ基準
- 納品物:ソース一式、変更点リスト、ロールバック手順、運用マニュアル
費用の目安
- 中規模サイト(10~20p):80~200万円
- 機能追加(問い合わせフロー拡張、予約、会員、検索、カスタム投稿など):+10~150万円と内容次第で大きく変動
- 既存テーマ流用/素材支給/要件の明確化でコスト最適化が可能
準備しておきたいもの
- ワイヤーフレーム(Figma/手書きでOK)と参考サイトの「どこが良いか」コメント
- 原稿・写真の確定版(ドラフト→最終の二段階でも可)
- 性能の目標値(LCP/INP/CLSの目安)と計測方法
仕様ベースで発注。差分見積で相場を自分でコントロール
まず前提として、発注の切り分けができる緑レベルの方は、代理店を挟んだ外注をする必要がないかもしれませんが、もし外注するなら…という目線で書きます。
RFP(要件定義書)とWBS(作業分解)で仕様準拠の相見積を取り、差分管理でコストを握れます。
「デザインのみ依頼」「API連携だけ外注」など役割分担も可能。Gitとチケット駆動で進めれば、品質も再現性も担保しやすいです。
確認ポイント
- 要件票:画面一覧、入力定義、権限、遷移、非機能(可用性・性能・セキュリティ)
- データ移行:現行→新環境の方式(CSV/WP-CLI/API)とリハーサル回数
- テスト方針:受け入れ基準、ブラウザ/端末表、パフォーマンス基準、バグ報告様式
- 引き継ぎ:リポジトリ運用、ブランチ戦略、差分記録、SLA、保守範囲
費用の目安
- デザイン一式:10~50万円(要件明確度で上下)
- カスタム機能(要件明確):30~300万円、外部連携や会員系は振れ幅大
準備しておきたいもの
- Gitアクセス、CI/CD、デプロイ手順(ステージング/本番)
- イベント設計(GA4・広告・ヒートマップ)と監視要件
- 運用ガイドライン(更新ポリシー、プラグイン追加基準、脆弱性対応)
制作代行の依頼フロー
- 目的・KPI・期限・予算上限を定義(1~2段落で共有できるよう要約)
- 前提情報を整理(環境・課題・素材・体制/レベル別の準備物に沿って)
- RFP/ワイヤーを添えて見積依頼(作業内訳・前提・除外範囲・検証範囲を揃える)
- 比較・発注(実績・担当の固定・SLA・保守範囲・著作権/ソースの扱いを確認)
- ステージングで実装→受け入れ試験(差分記録・ロールバック手順・計測確認)
- 本番反映→納品・引継ぎ(成果物一式・変更点リスト・運用マニュアル)
- 保守開始(アップデート・脆弱性対応・バックアップ・軽微改修の枠取り)
※ 条件をそろえずに見積を集めると比較不能になりがち。必ず依頼テンプレを作って配布しましょう。
代理店依頼に関するよくある質問
代理店とフリーランス、どちらが向いていますか?
要件が複雑・関係者が多い・納期がタイトなら体制のある代理店が安心です。小さな改修や予算最優先ならフリーランスも選択肢です。混在モデル(要件定義は代理店、更新は内製/フリーランス)も有効ですが、区切る範囲をよく考える必要がでてきます。
相場がバラつくのはなぜ?
範囲(原稿・写真・設計・検証・保守)が違う、依存度(ディレクション工数)が違う、品質基準と検証範囲が違う、このあたりが主因です。見積書の「前提・除外範囲・検証範囲」を横並びにして比較しましょう。
成果物の権利やソースの扱いは?
デザインデータ(編集可能データ)・ソースの所有権、利用範囲、再配布可否を契約前に合意しましょう。プラグインの商用ライセンスや写真の使用範囲も要確認です。
保守契約はいくらくらい必要?
規模や範囲によりますが、月1~5万円が目安(軽微改修の工数枠・アップデート・監視・バックアップを含むかで上下)です。スポットオンリーより、最低限の保守枠があると安心です。
代理店は体制と再現性が強みです。費用は「依頼範囲×外注依存度」で決まり、条件をそろえた見積比較がコスパのポイントです。
赤は丸投げでOKだが前提を明確に、オレンジは要件の仕分けと検証範囲の明文化、緑は仕様準拠と差分管理で費用をコントロール、これが基本の見方です。
「あまりに安すぎる見積もり」は、前提不足や検証省略のサインかもしれません。後からの追加請求・品質劣化・途中停止リスクに注意しましょう。
迷ったら、小さく始めて早く検証(PoC)し、段階発注でリスクを分散するのがいちばん健全です。

