WordPressのSEO対策を外注するならここを確認

この記事はこんな人向けです
  • 「WordPressのSEO対策」を外注すべきか、自力でどこまでやれるか判断したい人
  • 制作会社・フリーランスに依頼する前に、チェックすべき基準や見積もり観点を知りたい人
  • キーワード選定/内部対策/コンテンツSEO/テクニカルSEOの違いと、期待できる成果を把握したい人

WordPressレベル別 対応難易度

Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7
レベル判断は、右のレベル表(スマホは画面下)を参考にしてください。

赤:外注推奨 オレンジ:条件付き自力可 緑:自力対応可

WordPress SEO対策の全体像と対応方針

SEOは「キーワード戦略」「内部対策」「コンテンツSEO」「被リンク方針」「テクニカルSEO」「計測&改善」などの組み合わせで成り立ちます。
外注の良さは作業の速さとノウハウの網羅性、自力の良さは意思決定の速さとコスト最適化です。
自分のレベルと工数・予算のバランスで、どこまで任せるかを切り分けるのがコツです。

SEO対策 ~WordPressレベルごとのおすすめ対応

基礎が不安なら重要部分は外注

赤レベルの方は、検索キーワード設計・内部構造・スキーマ(構造化データ)・サイトマップ・計測設定などは不慣れだと思われます。
この層が一番つまずきやすいのは、キーワード選定のズレと、コンテンツ量が足りないのに、ネットで調べた知識やテクニックで解決しようとする点です。

まずは、専門家に「初期設計」を任せるのが近道。初期設計とは、ターゲットと検索意図の整理/優先キーワードの決定/カテゴリと記事設計(情報設計)/内部リンク計画/主要テンプレートのメタ情報ぐらいまでになります。
この土台が整うと、日々の記事更新を自力で続けても成果が伸びやすくなります。

やるべきこと(外注に渡す要件の例):
・事業の強み、見込み客、主要サービスをヒアリング資料にまとめる
・上位表示したいキーワード候補をリスト化(ブランド名・指名検索も含む)
・現状のサイトマップ(カテゴリ/固定ページ)と記事一覧を共有
・GA4とSearch Consoleのアクセス権限を準備

自力でやるなら:
・タイトル、ディスクリプション、h1~h3の役割を理解して、基本の整備を行う
・画像の代替テキスト、メディア最適化(WebP化・圧縮)、不要プラグイン削減による速度改善を意識
・「被リンクを買う」等の危険行為は避け、検索意図に合う記事作りに集中

最初の数ヶ月は、方針の間違いが最もコストが高くなります。
小額でよいので初期コンサルと設計を外注し、運用は自力で進められるレベルになるのが費用対効果◎です。

設計+監修を外注して伸ばす

オレンジレベルの方は、WordPress運用に慣れていて、プラグイン導入・固定ページ作成・リダイレクト設定なども自力でできると思います。
この段階で伸び悩む原因は、キーワードの優先度が分散し、内部リンク設計とカテゴリ設計が曖昧になりやすいこと。記事が増えるほど構造の影響が大きくなります。

おすすめは、「戦略・設計」「テクニカルSEO」「計測ダッシュボード」をプロに監修してもらい、コンテンツ制作と更新運用は自力で回す形です。
この分業なら、スピード感を保ちつつ、品質と方向性を担保できます。

やるべきこと(外注で強化すると効果が高い領域):
・キーワードクラスター設計(親子関係/検索意図別の網羅)
・内部リンクとパンくず・カテゴリ構成の最適化(重複回避・正規化)
・構造化データ(FAQ、HowTo、Organization、Breadcrumbなど)の設計と実装方針
・コアウェブバイタル改善のロードマップ(LCP/CLS/INP指標)
・GA4とSearch ConsoleでのKPI定義、クエリ・ランディングページ別の改善サイクル

自力でやるなら:
・記事テンプレート化(見出し雛形、要約、内部リンクの置き場、画像最適化のチェックリスト)
・noindexやcanonicalのミスを点検、重複タイトル/薄いページの整理
・旧URLの301最適化、不要タグ・カテゴリの統合、サイトマップXMLの健全化

「記事を増やして成果が出る」段階から「戦略的なサイト設計と記事の質を上げて成果を出す」段階へ
監修+月次レビューを外注して、迷走を防ぎつつ加速させましょう。

「スポットの壁」だけ外注で突破

緑レベルは、テーマ・子テーマの扱い、functions.phpの調整、サーバー設定、計測設計まで自力で行えると思います。
このレベルでも、コアアップデート対応の仮説検証や、多言語・複数ドメイン・大規模移行などは外部知見を取り入れる価値が高いです。

外注を使うなら:
・ログデータ解析の壁(BigQuery/Looker Studioでのダッシュボード構築)
・スキーマ設計の高度化(カスタム投稿タイプやFAQの大規模展開)
・大規模情報設計のレビュー(カテゴリ再編、URL設計の刷新、内部リンクの再配線)
・コアウェブバイタルのボトルネック改善(CLSの累積要因洗い出し、LCP要素の最適化)

自力でやるなら:
・検索意図の変化に応じた「負け筋記事の撤退・再編集」、E-E-A-T観点での著者情報・実績の明示
・ログベースの意思決定(クエリ×LP×CTR×滞在の相関でテコ入れ)
・ABテストでのタイトル/見出し検証サイクルを継続

「全部外注」ではなく、最小限の専門支援でレバレッジをかける
成果に直結する狭いボトルネックへ投資して、ROIを最大化しましょう。

WordPressのSEO対策を外注する場合のポイント

見積もりは「やることの粒度」で大きく変動します。
よくある誤解は、「SEO対策=プラグインを入れて終わり」という考え方です。実際には、戦略・実装・運用・改善を通しで回してこそ成果が出ます。

項目ポイント
費用の目安 ・初期診断+設計(キーワード/情報設計/基本内部対策)… 5万~20万円
・実装支援(テンプレート調整/構造化データ/速度対策)… 10万~40万円
・運用伴走(月次レポート/改善提案/記事レビュー)… 月3万~20万円
・大規模移行・再設計(URL再設計/数百記事規模)… 50万円~
※ キーワード数・記事点数・テーマ構成・要件難易度で変動
依頼の流れ 1. 現状共有(ビジネス目標/ターゲット/主要キーワード候補/アクセス権限)
2. 現状診断(Search Console/GA4/サイト構造/競合分析)
3. 方針提案(キーワード戦略/情報設計/実装計画/KPI)
4. 実装&運用(優先度順に内部対策・テンプレート調整・記事改善)
5. 月次レビュー(指標モニタリング/改善の打ち手更新)
準備しておくと便利 ・ビジネスの目的とKPI(問い合わせ、見積り、資料DL など)
・ペルソナと検索シーン(BtoB/BtoC、商談化までの導線)
・現行サイトマップ/主要テンプレートの構成(ヘッダー・フッター含む)
・Search Console/GA4の閲覧権限、過去の順位・流入レポート
・禁止事項(買いリンクNG、過度な自動生成NG、ブランド表記ルール)
業者選定のチェック ・提案が「プラグイン導入」だけで完結していないか
・キーワード戦略と情報設計の因果(なぜその構成?)が説明できるか
・内部リンク/構造化データ/CWVなどテクニカル領域の知見があるか
・成果計測(Search Console×GA4)と改善サイクルが仕組み化されているか
・制作と運用の体制(誰が何を、どれくらいの頻度で)を明示できるか
注意ポイント ・短期の順位保証は危険サイン(アルゴリズム変動で崩れる)
・被リンク購入・自演リンク網はリスク大
・記事量産だけで戦うと消耗しやすい。設計と品質が先
まとめ

WordPressのSEO対策は、戦略(キーワード・設計)→実装(内部・速度・スキーマ)→運用(計測・改善)のループが要です。
は初期設計を外注、オレンジは設計と監修を外注、はボトルネックだけ外部知見で突破が賢い選択です。

見積もり時は「何を・どの粒度で・どれくらいの頻度でやるか」を言語化しましょう。
プラグイン導入だけに偏らず、情報設計と計測を軸に意思決定できれば、遠回りを防げます。

迷ったら、まずは現状診断と優先度の整理を行うこと。
今日からできる一歩を一緒に整えていきましょう。

この記事を書いた人
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桐山智行(株式会社H.T.P. 代表)

2007年よりWeb制作に従事し、現在は企業サイトやWordPressの保守・改善支援も行っています。これまで100社以上・500サイトを超える案件を担当し、トラブル対応から集客サポートまで幅広く経験しています。

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