WordPressが真っ白になる原因と修正依頼の考え方
- WordPressの画面が突然「真っ白」になり、ダッシュボードにも入れずに困っている
- テーマやプラグインを更新した直後から表示されない/500エラーっぽい挙動が出ている
- 自分で直すべきか、外注して安全に戻すべきかを客観的に判断したい
WordPressレベル別 対応難易度
赤:外注推奨 オレンジ:条件付き自力可 緑:自力対応可
WordPressで画面が真っ白になったときの全体像と対応方針
いわゆる「White Screen of Death(WSOD)」は、PHPの致命的エラー・プラグイン/テーマの競合・メモリ不足・.htaccessやWAFの干渉・キャッシュの不整合などが主因です。
まずは原因の切り分けをして、無理のない範囲で進める、原因がわからない場合には早めに外注するのを判断しましょう。
作業前にはバックアップ(少なくともファイルとDBのどちらか)を確保するのが鉄則です。
画面が真っ白になったとき ~WordPressレベルごとのおすすめ対応
まずは落ち着いて情報整理 ※無理は禁物
サイトが真っ白になると焦りますが、初心者ほど焦らず冷静になることが大切です。誤操作で症状を悪化させると、すぐ直るはずのものが長期化したり、影響が広がり外注する場合に費用が跳ね上がったりします。
やっておきたいのは、状況のメモとスクリーンショットです。
・真っ白なのは「トップページだけ」か「その他の投稿、固定ページも」か、
・さらには「管理画面も真っ白になっている」か
・直前にやったこと(更新/新規プラグイン追加/テーマ切替/サーバー移転 など)の整理
・レンタルサーバー側の障害情報やPHPバージョン変更の有無はないか
また、サイトヘルスを普段から確認していた方は、以前から警告(REST API・ループバック・必須モジュール)が出ていなかったか思い出してみてください。放置していた警告が「たまたま今日」顕在化することもあります。
赤レベルの方は、ここまで整理できたら、外注が無難です。
整理しておくと、原因特定が早まり、余計な費用も抑えられます。
逆に、ネット上の情報を鵜呑みにし、むやみにFTPでファイルを消したり、.htaccessをいじったり、セキュリティ系プラグインを無効化しようとして弾かれたり…は典型的な「悪化コース」ですので注意が必要です。
基本の切り分けで原因をしぼる
日頃から投稿やメディア管理をしている人・レンタルサーバーのファイルマネージャーが使える人などは、低リスクの切り分けならトライ可。
1) 自動更新直後の発症か?
コア/テーマ/プラグインの自動更新後に真っ白なら、互換性の不整合が濃厚です。特定できれば、その要素の一時停止・元のバージョンに戻す判断ができます(対応は自力or外注)。
2) プラグイン競合の切り分け
管理画面に入れない場合は、pluginsフォルダ名を一時変更して全停止状態を再現し、表示が戻るかの確認ができます。
もし戻るなら、競合の線が強いので、フォルダを元名に戻してから、疑わしいプラグインを一つずつ停止→確認…の順で原因を特定します。
3) テーマ起因のチェック
子テーマのfunctions.phpやテンプレート修正後に発症しているなら、テーマフォルダを一時的に退避し、デフォルトテーマにフォールバックさせて変化を見るのが有効です。
ファイル特定ができたら、関数を削除するなどで、原因箇所の特定も可能です。
4) サーバー側の要因
・PHPエラーログに Fatal error / memory exhausted などが出ていないか
・PHPバージョンの上げ下げ直後でないか(7.4→8.1→8.2で非推奨関数に当たるなど)
・WAF(mod_security)やCDN(Cloudflare)の設定が誤検知していないか
・キャッシュ(プラグイン・サーバー・CDN・OPcache)の整合性が崩れていないか
注意:ここから先(wp-config.phpでデバッグ有効化やメモリ割当の調整、DBのオプション修復、パーミッション見直し等)はミスすると復旧難度が上がります。「切り分けまで」で止めて外注する判断も十分アリです。
本格トリアージと恒久対策
サーバー/DB/SSH/WP-CLIに慣れている人は、再現→隔離→復旧→恒久化の順で落ち着いて進めます。
トリアージ:表示が真っ白でも、HTTPステータスやログは手がかりの宝庫。Fatal error / Parse error / Allowed memory size / Class not found / Call to undefined function 等を起点に、ピンポイントで犯人(特定のプラグイン・テーマ・カスタムコード)を隔離します。
隔離:プラグイン全停止→疑わしいものから順に有効化、テーマはデフォルトで検証。オブジェクトキャッシュ・OPcache・サーバー/アプリケーションキャッシュ・CDNの多層キャッシュを同時に整合させます。
.htaccessの書き換え、画像最適化・セキュリティ系プラグインのリライトルール、Basic認証やWAF設定などの干渉も疑います。
復旧:バックアップからの部分復元(テーマ/プラグイン単位)や、改変差分のロールバックで一旦の可用性を確保。必要に応じてコア/テーマ/プラグインを手動再配置し、破損ファイルを排除します。
恒久化:検証環境(ステージング)で更新の事前テスト、PHPバージョン/拡張モジュールの整備、Site Healthの警告ゼロ化、自動更新ポリシーの見直し、WAF・CDN・キャッシュの設計(順番とTTL)、ログ監視の常設などを行い、再発確率を下げます。
上級者でも「時間コスト」が大きい案件はあります。早く確実に戻す必要があるなら、外注のほうが合理的な場面も多いです。
外注する場合のポイント
「今日中に復旧したい」「今は触るのが怖い」というときは、専門家に任せるのが近道。費用感と進め方、事前準備を押さえておきましょう。
項目 | ポイント |
---|---|
費用の目安 |
・軽微(プラグイン競合の特定~復旧)… 10,000~30,000円 ・テーマ/カスタムコード起因の修正… 30,000~80,000円 ・サーバー設定/DB修復/移転絡み… 50,000円~ ・特急対応(当日復旧)や深夜作業は割増になることがあります |
依頼の流れ |
1. 症状共有(真っ白の画面/URL・直前の操作・使用中テーマ/主なプラグイン・サーバー名・PHPバージョン) 2. 概算見積と進め方の合意(まずは暫定復旧→原因究明→恒久対策の順がおすすめ) 3. バックアップの確保→作業(停止・ロールバック・ログ解析・設定調整 等) 4. 復旧確認と再発防止の提案(自動更新の設計/ステージング運用/監視の導入) |
準備しておくと便利 |
・WordPressログイン情報(2段階認証があればコード手段も) ・レンタルサーバーの管理パネル/FTPまたはSSH、phpMyAdminのアクセス情報 ・CDN/WAF(例:Cloudflare)、キャッシュ/セキュリティ系プラグインの設定情報 ・発生時刻・直前の変更点・エラーメッセージのスクショ(可能ならエラーログ) ・商用/個人の連絡先(緊急時の確認フローを決めておくと速い) |
WordPressの「真っ白」は、たいてい原因があります。更新タイミング・プラグイン/テーマの相性・PHPやサーバー設定・キャッシュやWAFなど、筋道を立てて切り分ければ十分に戻せます。
赤は無理せず外注、オレンジは切り分けまで、緑は復旧と恒久対策までを目安に。
ビジネス中断のほうが痛い場合は、迷わず専門家へ。復旧後は「テスト環境→本番」「ログと監視」「自動更新ポリシー」を整え、同じ事故を繰り返さない設計にしておくと安心です。