固定ページをランディングページ風にカスタマイズする方法

この記事はこんな人向けです
  • 固定ページをランディングページ(LP)風にして、問い合わせや資料請求のコンバージョン率を上げたい
  • プラグインを増やしすぎず、Gutenberg(ブロックエディタ)だけでLP化できるか知りたい
  • CTAの置き方やセクション順、スピード最適化など実務的なコツをざっくりつかみたい

WordPressレベル別 対応難易度

Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7
レベル判断は、右のレベル表(スマホは画面下)を参考にしてください。

赤:外注推奨 オレンジ:条件付き自力可 緑:自力対応可

固定ページをLP風にする全体像と対応方針

LP化のキモは、「順番」と「余白」と「1アクション」です。まずファーストビューで価値とCTAを見せ、セクションは迷いなく読み進められる順列に並べ、各セクションは情報を「詰めない」こと。
Gutenbergの標準ブロック(見出し/段落/カラム/ボタン/画像/グループ/スペーサー)で十分形になります。足りない所は最小限のプラグインで補う方針にしましょう。
自力で作り上げるか、外注するかは、設計(構成)を自分で造れるか・テスト/計測を回せるかで判断しましょう。

固定ページをLP風にする ~WordPressレベルごとのおすすめ対応

設計は外注、運用は自分で

赤レベルの方の中でも、LPの経験がない方は、見た目より「並べ方(情報設計)」でつまずきがちです。LPはざっくり「ファーストビュー → 共感 → 解決策 → 実績/証拠 → 比較/FAQ → CTA」という鉄板のストーリー構造で回ります。この構造が決まれば、Gutenbergの標準ブロックだけでも“それっぽく”仕上げることはできます。

おすすめは、ページ構成・設計を外注して、内容の記述は自分で行うやり方です。この方法ですとコストを抑えつつ成果に直結しやすいです。
まずは次の順番で作ってみましょう。

  1. ファーストビュー(キャッチ・サブ・主要CTA)
  2. 悩み/課題の共感(ターゲット明示)
  3. 解決策の提示(ベネフィット/差別化ポイント)
  4. 実績/お客様の声/導入事例
  5. 料金の目安(ざっくりでもOK)
  6. FAQ(不安の解消)
  7. 再CTA(フォーム/電話/LINE)

実装のポイントはシンプルです。
グループでセクションを括り、見出し(H2/H3)で区切り、スペーサーで余白を一定に保ちます。

CTAは「ページ上部(ヘッダー直下)」「本文中のキリの良い箇所」「下部(まとめ直後)」の3点は最低限ほしいところです。フォームは同一ページに埋め込むか、最短1クリックで遷移できる導線にしましょう。(おすすめは同一ページ埋め込みです)

表示速度面では、画像のWebP化/適正サイズ・不要スクリプト削減・上位でのCLS対策だけでも最初に整えましょう。

ここまでで「構成が決められない/文言が硬い」と感じたら、コピーや文章構成も外注することで、1ページ分は作ることができます。1ページ作れましたら、あとは同じように作っていけば良いので、LPを量産することも可能です。
なお、仕上げのブロック配置や微調整は忘れないように自力で対応しましょう。

計測とABテストを小さく回す

オレンジレベルの方は、「作る」より「検証する」フェーズに踏み込みましょう。LPの成否は、配置や文言の微差で変わります。
具体的には・・・

  1. 計測のセットアップ:目標(フォーム送信/電話クリック)を計測します。イベントは「CTAボタン」「ページ最下部到達」「FAQ開閉」なども入れておくと改善のヒントになります。
  2. 折り返しCTA:例えばスクロール50~70%地点にセカンダリCTAを挿入する。迷い始める箇所で「軽い行動(PDFダウンロード/簡易相談)」を提案する。など。
  3. セクションの引き算:とくに動画/大画像/装飾の入れすぎを見直します。1セクション=1メッセージの原則を徹底しましょう。
  4. モバイル最適:行間/余白/フォントサイズの調整します。ボタンは指一本タップを想定し、上下に十分な余白をいれましょう。

ABテストは大がかりにしなくて効果検証はできます。まずはキャッチコピーの文言・ボタン文言・料金の見せ方の3点を順番に差し替えて効果を観察していきます。変数を増やしすぎないのがコツです。

注意点として、プラグインで実装を盛りすぎると読み込みが重くなりがちです。「標準ブロック+最小限」というルールをつくり、どうしても必要な時だけプラグインを検討しましょう。

オレンジレベルの方なら、デザインの作り込み(色/余白/見出し装飾)もテーマ側の設定グローバルスタイルで行えます。必要なければCSSを書かずに、まず既存のデザイン設定を最大活用する方が、運用負荷が低く長持ちします。

再利用できるLPフレームを作る

緑レベルの方は、案件を回す視点で「再利用できるLPフレーム」を作ると生産性が跳ねます。
ポイントは次のとおり。

  1. セクション・ライブラリ化:キャッチコピー/ベネフィット/比較/FAQ/CTAを「グループ」単位でテンプレ保存。新LPは差し替えだけで初稿を即日出せます。
  2. 速度と安定の担保:画像の遅延読み込み・折返し下のメディア遅延・不要ブロック削除・フォント読み込みの見直し。CLS/INPをウォッチして微修正。
  3. フォーム導線の多層化:メインCTA(フォーム)に加え、ライトCTA(資料DL/無料診断)・直電/LINEを併設。モーダルやアンカーリンクで離脱を減らします。
  4. 信頼の積み上げ:ロゴ/実績/定量指標/FAQは“疑問が出る順”に配置。閲覧ログから離脱点を見つけて順番を入れ替えるとCVRが伸びます。

作業はノーコードでもいけますが、要件次第ではヘッダー/フッターの簡易化(メニュー絞り込み/余計なリンク隠し)や、LP専用の固定ページテンプレの採用も検討余地。テーマ更新との整合や保守性を崩さない範囲で“LPに集中できる画面”を用意しましょう。

最後は運用の回し方。週1(アクセスが多い場合は毎日)で数値を見て、1点ずつ勝ちパターンへ寄せる。LPは“作って終わり”ではなく、作ってからがスタートです。

固定ページLP化を外注する場合のポイント

「構成に自信がない」「数値の伸びが止まった」なら外注必須です。費用感・進め方・準備物だけ押さえて、スムーズに依頼しましょう。

項目ポイント
費用の目安 ・構成台本/コピーのみ:30,000~80,000円
・GutenbergでのLP組版(画像最適/CTA設置含む):80,000~200,000円
・ABテスト/計測設計まで:150,000円~(規模による)
・緊急/短納期は割増になることも
依頼の流れ 1. 目的/ターゲット/訴求軸を共有(既存の資料や競合URLも)
2. ワイヤー(セクション順)と主要コピーの確認
3. ブロック構築→初稿→微調整→公開→計測設定
準備しておくと便利 ・現行のアクセス/CVデータ(わかる範囲で)
・事例/お客様の声/料金の目安(未整備なら仮でOK)
・ブランドカラー/NG事項(口調・表現の基準)
・問い合わせ後のフロー(誰が対応/SLA/返信テンプレ)
まとめ

LP化は「特別な魔法」ではなく、順番・余白・1アクションの徹底です。標準ブロックで十分に実装もできます。

は最低限構成外注、オレンジは計測/検証を小さく回す、は型を作って量産が基本戦略です。

作って終わりにせず、週1の見直しで“勝ちセクション”へ寄せていけば、自然とCVRは育ちます。迷ったら、構成とコピーからプロに相談するのが近道です。

この記事を書いた人
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桐山智行(株式会社H.T.P. 代表)

2007年よりWeb制作に従事し、現在は企業サイトやWordPressの保守・改善支援も行っています。これまで100社以上・500サイトを超える案件を担当し、トラブル対応から集客サポートまで幅広く経験しています。

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