WordPressの表示速度を改善する方法と外注の選び方
- PageSpeed Insightsのスコアが低く、検索順位や離脱率が気になっている
- 画像最適化・キャッシュ・CDNなど何から手を付ければよいか迷っている
- 表示速度を自分で改善すべきか、プロに外注すべきかを判断したい
WordPressレベル別 対応難易度
赤:外注推奨 オレンジ:条件付き自力可 緑:自力対応可
WordPress表示速度改善の全体像と対応方針
スピード改善は「現状の可視化 → 優先度決め → 小さく改善 → 計測で確認」の繰り返しです。
まずはPageSpeed InsightsやLighthouseなどの指標を把握し、効果の出やすい順に取り組むのが近道です。
テーマ改修やサーバー移行は効果が大きい反面リスクもあるため、段階的に検討するのが安全です。
表示速度改善 ~WordPressレベルごとのおすすめ対応
まずは診断と「ムダの削減」から
「とにかく遅い…」と感じる段階では、やみくもにプラグインを入れ替えるより、現状を見える化することが先決です。PageSpeed Insights・Lighthouseなどのレポートを保存し、スクショで残しておきましょう。ここでの目的は、改善のゴールと優先度を決める材料集めです。
自力でできるのは、次の“安全度が高い”整理整頓です。
・使っていないプラグイン/テーマを停止・削除(セキュリティ面でも有効)
・画像の再アップはせず、まずはメディアの大きすぎる画像を把握(ギャラリーのサイズ確認)
・トップページのスライダーや自動再生動画など、重い演出を可能なら一旦オフ
このレベルの方は、キャッシュ系プラグインやCDNの詳細設定は混乱のもとになりがちです。レポートと「直前の変更点」(テーマ更新・プラグイン追加・ウィジェット編集など)をメモして、外注に相談するほうが早くて確実なケースが多いです。
体感差の大きい所から着手
テーマやプラグインを更新したことがある方なら、次の手順で「コスパの良い改善」を狙いましょう。
※ ここでは設定画面の操作が中心で、テーマやPHPファイルを直接いじらない方針です。
1) 画像最適化:アップロード時に長辺の最大サイズを見直し、過去画像は必要範囲で圧縮(WebPやAVIFの自動生成が可能なプラグインも検討)。
2) 遅延読み込み(Lazy Load):画像・埋め込み(YouTube等)を遅延表示にしてファーストビューの負荷を軽減。
3) キャッシュプラグイン:ページキャッシュとブラウザキャッシュのみ最初に有効化し、最小化(minify)は相性問題が出たらオフに戻す。
4) フォント周り:Webフォントの種類を絞る、表示ブロックを避ける設定を優先(サブセット配布の有無を確認)。
5) プラグイン見直し:重複機能(スライダー、フォーム、最適化系)の一本化。
ここまでで多くのサイトは「体感が明らかに軽くなる」ところまで到達します。逆に改善が伸びない場合は、テーマの構造・JS/CSSの読み込み順・サーバーのTTFB(HTTP/2/3やBrotli圧縮、OPcache、Object Cache)といった“中の仕組み”がボトルネックの可能性が高くなります。無理に深追いせず、外注でボトルネック診断を頼むのが得策です。
計測ドリブンでボトルネックを切る
サーバーやテーマ改修に慣れているなら、指標を見ながら原因を面で潰していきます。コード断片の提示はしませんが、方針レベルでは次の通りです。
・サーバー/PHP:PHP 8系、OPcache、オブジェクトキャッシュ(Redis/Memcached)可否、HTTP/3、Brotli、TLS設定、TTFBの改善。
・テーマ最適化:不要なスクリプトの遅延(defer/asyncの設計)、CSS分割とクリティカルパスの最小化、アイコンフォントのSVG化、不要テンプレートの整理。
・画像パイプライン:ビルドでの自動リサイズ、WebP/AVIF配信、srcset/sizesの正確化、ヒーロー画像は適切な解像度と軽量化。
・外部リソース:タグマネージャ/分析タグの発火条件の見直し、SNS埋め込みの置き換え、必要に応じて遅延ロード用のプレースホルダ運用。
・CDN/エッジ:Cloudflare等でキャッシュ設計、HTMLキャッシュやEarly Hints、画像変換(Polish等)の活用、地域別レイテンシの観察。
重要なのは「計測→仮説→変更→再計測」を守ること。変更をまとめて入れると、何が効いたのか(または壊したのか)が追えません。ステージング環境でA/Bの比較計測を行い、実ユーザー指標(CrUX/フィールドデータ)も確認して、安定した改善に落とし込みましょう。
表示速度改善を外注する場合のポイント
「短期で確実に上げたい」「原因が複雑で読み切れない」なら外注がおすすめです。費用感・流れ・準備物を押さえておくとスムーズです。
項目 | ポイント |
---|---|
費用の目安 |
・簡易診断(レポート+優先度表)10,000~30,000円 ・画像/キャッシュ中心の軽量チューニング 20,000~60,000円 ・テーマ最適化・JS/CSS設計の見直し 50,000~150,000円 ・サーバー移行/CDN設計/オブジェクトキャッシュ 80,000~300,000円 ・継続保守(計測・微調整・更新代行)月1~3万円 目安 ※規模・現状・「いつまでに何点」か等で上下します |
依頼の流れ |
1. ヒアリング(目標値:LCP/INP・モバイル/PCスコア・期限) 2. 診断(現状計測・ボトルネック仮説・効果/工数試算) 3. 提案(優先度ロードマップ・予算・リスク説明) 4. ステージングで実装→検証(1変更ずつ) 5. 本番反映→実ユーザーデータ確認→微調整→納品 |
準備しておくと便利 |
・PageSpeed InsightsのURLとスコアのスクショ(改善前の記録) ・サーバー情報(契約プラン、PHPバージョン、HTTP/2/3、Brotli可否) ・使用テーマ/子テーマ、主要プラグイン一覧(バージョン含む) ・CDNやCloudflareの有無(権限付与の方法) ・更新頻度と運用フロー(キャッシュクリアの役割分担) ・デザイン面の制約(演出を削る許容範囲/代替案の希望) |
表示速度は「なんとなく速くする」ではなく、指標ベースでボトルネックを特定し、効果の大きい順に片付けるのが正解です。画像・キャッシュ・外部リソースの整理だけでも体感は大きく変わります。
赤は診断+整理を外注、オレンジは安全な設定から段階的に、緑は計測ドリブンで構造最適化を意識しましょう。
「期限が迫っている」「テーマやサーバーに踏み込むのが不安」という場合は、無理せずプロに任せるのも賢い選択です。結果に直結する進め方で、CV・SEOの両面改善を狙いましょう。