WordPressの制作代行業者の選び方|失敗しないためのチェックリスト
この記事はこんな人向け
- 初めての外注で、どの制作代行業者を選べばいいか迷っている
- 相見積もりを取ったものの、内訳の違いがよく分からない
- 公開後のサポートや運用まで考えた“失敗しない選び方”を知りたい
WordPressレベル別 読みどころガイド
赤:外注依存度「高」 オレンジ:外注依存度「中」 緑:外注依存度「低」
右のレベル表(スマホは画面下)を参考に、記事内の「赤・オレンジ・緑」のパートを読み分けてください。
※「外注依存度」とは、作業や確認を自分でどこまで対応するか、もしくは外注に任せるかの度合いを示しています。
WordPress制作代行業者選びの基本
WordPressの制作代行は「誰に頼むか」が非常に重要になります。価格だけでなく、要件整理力・検証体制・保守の実績まで見て「自分(自社)にあっているか」「成果が出せる相手か」を見極めるのがコツです。この記事ではWordPressレベル別にチェック観点を整理し、相見積もり~契約までの実践ポイントをまとめます。
失敗しないためのチェックリスト
このチェックリストをすべて埋められる業者は、信頼度が高い証拠です。
不明点をそのままにせず、必ず質問して明文化しておきましょう。
価格よりも「説明の丁寧さ」「対応スピード」「再現性」で判断するのがポイントです。
制作代行業者選び ~WordPressレベルごとの確認ポイント
“丸投げOK”でも前提だけは握る。ここを外すと全部ズレる
WordPressや制作用語がまだ不安な赤レベルの方は、細かな指示は不要ですが、目的・納期・予算上限・NG例だけは最初にセットで伝えると、提案の質が一気に上がります。
見た目だけでなく、「問い合わせが増える導線」「管理画面の使いやすさ」も重視できる業者かを見ましょう。検索時は「wordpress 制作代行 実績」「WordPress 相談 伴走」などのワードが役立ちます。
確認ポイント
- 実績ページ:自社と近い規模・業界の事例があるか/成果の記載があるか
- ヒアリング力:目的・ターゲット・KPIを言い換えて整理してくれるか
- 制作後の運用:更新方法・簡易マニュアル・保守の窓口が用意されるか
- 見積の透明性:一式でなく作業内訳と除外範囲が書かれているか
- コミュニケーション:連絡手段/初動時間(SLA)/担当の固定化
費用の目安
- 小規模(5~10ページ):20~50万円前後。素材作成を任せるほど増額
- テンプレ活用で安く見せる提案は、後から追加費が乗りやすいので注意
- 「特急」や「後出し要件」は工数が跳ねやすい
準備しておきたいもの
- サイトの目的とゴール(問い合わせ/採用/予約/資料DLなど)
- 好き・苦手な参考サイト2~3件(理由もメモ)
- ページ構成のたたき台と、掲載してほしい情報のメモ
「抜け漏れ」をつぶすと品質もコストも安定する
テーマやプラグインの基礎がわかり、運用も多少触れるオレンジレベルの方は、まず、提案・見積もりの妥当性をチェックしましょう。要件の優先度付けと検証体制で差が出るケースが多いのでそこを比較しましょう。
確認ポイント
- 要件整理:Must/Should/Won’t で機能を仕分け(後から追加しやすい構成に)
- 計測とSEO:GA4/タグ/検索パフォーマンス、title/description/OGP方針の有無
- 非機能要件:ページ速度、CLS/INP目標、セキュリティ(脆弱性・WAF・バックアップ)
- 検証体制:ステージングの有無、対応ブラウザ・端末表、受け入れ基準
- 納品物:変更点リスト、ソースの権利帰属、ロールバック手順、運用マニュアル
費用の目安
- 中規模(10~20p):40~100万円前後
- 会員・予約・検索・多言語などは追加費用大。要件明確化で最適化可能
- 既存テーマ流用・素材支給・WF準備でコストを抑えられる
準備しておきたいもの
- ワイヤーフレーム(Figmaや手書きでOK)と参考サイトの良い理由
- 原稿・写真のドラフト→最終の2段階運用
- テスト観点のメモ(フォーム送信/検索/速度/404・500時の挙動)
仕様で発注、差分で見積。役割分担でスピード最適化
要件定義・運用経験がある緑レベルの方は、RFPや仕様票で発注し、差分見積でコントロール。デザインのみ/バックエンドのみなど分業が有効です。
確認ポイント
- RFP/仕様:画面一覧、状態遷移、入力定義、権限、非機能、アクセシビリティ指針
- 開発体制:Git運用、ブランチ戦略、CI/CD、コード規約、レビュー方式
- 移行方針:既存→新環境のデータ移行(CSV/WP-CLI/API)とテスト
- 品質保証:パフォーマンス閾値、監視、障害対応フロー、SLA
- ライセンス:テーマ・プラグインのライセンス帰属/更新方針/鍵の扱い
費用の目安
- デザイン一式:10~40万円程度(技術レベル・難易度で上下)
- 機能追加(要件明確):10~150万円まで振れ幅大
- 自社対応領域を明確化すると全体コストを抑制しやすい
準備しておきたいもの
- Gitリポジトリ、デプロイ手順(自動化が理想)、権限管理のポリシー
- タグ設計(GA4/広告/ヒートマップ)、稼働監視の要件
- セキュリティ運用(脆弱性対応、バックアップ設計、秘密情報の保管)
制作代行の依頼フロー(一般的な流れ)
- 課題と目的を整理(誰に何を届けたい?KPIは?期限と予算上限も明記)
- 候補抽出&ショートリスト(実績・レビュー・得意領域で3社前後に絞る)
- 要件共有&RFP送付(サイトマップ/WF案/Must/Should/Won’tをセット)
- 提案・見積受領(作業内訳・除外範囲・体制・スケジュール・検証範囲)
- 比較・質疑(前提条件の差を埋め、追加費が出る条件を確認)
- 契約(請負/準委任の区分、著作権・ソース権利、検収条件、支払い条件)
- キックオフ(連絡手段、担当、進行頻度、レビュー基準、リスク対応を合意)
- 設計・デザイン→実装(ステージングで差分確認、タグ・計測も同時に)
- 検証・受け入れ(ブラウザ・端末表/パフォーマンス/フォーム送信などUAT)
- 公開・引き継ぎ(バックアップ→公開→監視設定→運用マニュアル共有)
ポイント:価格だけで決めず、要件整理力・検証体制・運用支援の3点セットで比較するとハズしにくいです。
業者選びに関するよくある質問
フリーランスと制作会社、どちらが良い?
小~中規模でスピード重視ならフリーランス、体制や検証の厚み・長期運用まで見たいなら制作会社が有利です。担当の固定化・バックアップ体制を確認して決めるのが良いです。
最安見積もりは選ばない方がいい?
最安が悪いわけではありませんが、内訳が薄い/除外範囲が多い/検証や保守が含まれない“安さの理由”は必ず確認しましょう。後からの追加費用や手戻りで結局高くつくこともあります。
実績はどこを見れば信頼できる?
制作数よりも「課題→施策→成果」が語られているか、似た規模や業界の事例があるか、公開後の改善・運用の関与有無を確認すると判断しやすいです。
契約時に絶対確認しておくべきことは?
権利(デザイン・コード・写真・ライセンス)、検収条件、支払いサイト、障害対応、保守の開始時期/範囲、秘密情報の扱い(NDA)を文章で取り交わしましょう。
業者選びは「価格」よりも「前提を整える力」「検証と運用の設計」で決まります。迷ったら、提案書と見積もりの内訳・除外範囲・検証体制を並べて比較しましょう。
赤は丸投げ+前提共有、オレンジは抜け漏れ潰しと検証強化、緑は仕様・差分で発注管理、これが基本の方針です。
やたら安い見積もりは、後からの追加費用や品質低下のリスクが高くなります。内訳と条件を必ず確認してから進めましょう。困ったら、第三者の目で提案比較を手伝ってもらうのもアリです。

