検索結果ページをカスタマイズして見やすくする方法
- 検索結果ページが味気なく、ユーザーがすぐ離脱している気がする
- SEOや内部回遊を強くしたいが、どこから手を付けるか迷っている
- テーマ任せの search.php から一歩進んだ「見やすい検索」を実装したい
WordPressレベル別 対応難易度
赤:外注推奨 オレンジ:条件付き自力可 緑:自力対応可
検索結果ページ改善の全体像と対応方針
検索結果は「ユーザーの期待値」と「サイト側の答え」を最短距離でつなぐ画面です。
見た目(UI)だけでなく、並び順や抜粋、0件時の導線など、情報設計が成果を分けます。
まずは現状の検索行動を計測し、離脱ポイントから順にテコ入れしていくのが効率的です。
検索結果ページ ~WordPressレベルごとのおすすめ対応
伝わる見た目を整える
最初に効くのは「視認性」と「分かりやすさ」です。テーマ標準の search.php でも、タイトル・日付・カテゴリ・アイキャッチ(サムネイル)・抜粋がバランスよく並んでいれば、クリック率は上がりやすくなります。検索キーワードはページ上部に小さく表示して、ユーザーが「自分の探し物がここにある」と直感できる構成にしましょう。
0件時(該当なし)のメッセージはすごく重要です。
何もない白い画面は離脱まっしぐらですので、代替提案(人気記事・カテゴリ一覧・タグ一覧・サイトマップ)や、検索フォームの再表示、「検索のコツ」(キーワードを短く/別の言い回し)を添えるだけで、回遊が伸びます。
ここまでは設定や固定ページの編集で対応できる範囲なので、まずは見た目の整備から行いましょう。
逆に、テンプレートのPHPを直接いじるのは、赤レベルの方ではリスキーです。
カスタマイズは子テーマの作成やバックアップが前提になるので、作業環境の整備ができないうちは手を出さないのが正解です。迷ったら「現状のスクショ+やりたいこと」をまとめて相談しましょう。伝え方次第で費用と時間がグッと節約できます。
UXとSEOを両立できるチューニングを
オレンジレベルの方はテンプレートの調整まで行えます。search.php(または汎用のindex.php)で、検索結果の1カード(タイトル・サムネイル・抜粋・メタ情報)の設計を見直します。
タイトルは検索キーワードを含む部分だけを強調表示(装飾はCSS側でOK)、抜粋は「導入→要点→行動」の順に短く整え、関連記事や上位カテゴリへの導線を末尾に置くとクリック後の迷いを減らせます。
並び順は「新着順」の一本だけだと弱いこともあります。FAQや用語集など長期的に価値があるコンテンツが混在するサイトでは、固定ページを優先表示したり、特定カテゴリを上位に寄せるだけで満足度が上がります。
WP標準のクエリでもカテゴリー・投稿タイプの絞り込みや、カスタム投稿の混載などは可能です。検索フォーム側も「投稿タイプ」「カテゴリー」「期間」などの軽いフィルタを追加して、ユーザーの負荷を下げましょう。
0件時の回遊強化はもう一工夫必要です。最近の人気記事・検索が多いキーワード・主要カテゴリのショートカットなどを3~6件並べ、サイトの“入口”に戻れるようにすること。
パンくず(内部リンク)やページネーションの配置も整理し、1ページあたりの表示件数はデザインと速度の妥協点を探ります。ページネーションにはnoindexを検討しつつ、1ページ目だけはインデックス対象にするなど、SEOの基本も押さえておくと安心です。
計測面では、サイト内検索クエリ(人気の検索語句、0件率、検索→離脱率)をGA4やSearch Consoleで把握していく。特定の語句で0件が多ければ、該当コンテンツの追加や同義語の補助を検討します。
検索体験は“作って終わり”ではなく、データを見て微調整を繰り返すのがコツです。
検索品質を高める、関連度・同義語・高速化まで
上級者は「関連度(Relevance)」の設計に踏み込みます。標準検索は基本が“部分一致×新着寄り”。コンテンツ規模が大きいサイトでは、タイトル・見出し・カスタムフィールド・タクソノミーの重み付けを見直し、意図に合う順序で並べ替えるとUXが一段上がります。特定の投稿タイプ(FAQ・事例・製品)を優先、タグの一致度を加点、公開日の鮮度を係数に含める、といったスコアリング思想で整理すると迷いが減ります。
同義語・表記ゆれの吸収も効果大。ユーザーは「料金」「価格」「費用」を気分で切り替えます。カテゴリ/タグの語彙整理、内部の“別名辞書”運用、タイトルや抜粋の自然言語寄りの記述で、検索の当たり幅を広げましょう。さらに“検索ハイライト”(該当語句の強調)を抜粋に織り交ぜると、クリック前に期待値が合いやすくなります。
スケールが出てきたらパフォーマンス最適化は必須。検索結果はキャッシュが効きにくいので、クエリ数・JOIN・メタクエリの負荷を意識します。カスタムフィールドの多段絞り込みは、インデックス設計や専用の検索エンジン(たとえば外部検索サービス)へのオフロードも選択肢。サムネイルの遅延読み込みや、1ページのヒット件数の上限管理、アセットのミニファイ/遅延など、初動描画を最優先に。
セキュリティ面では、検索フォームの入力は必ずサニタイズ。検索ワードのエコーバック時もエスケープを徹底し、ログには生値を残さない運用に。スパム検索(大量アクセス・特殊文字列)にはレート制限やWAFルールの調整も検討しましょう。最後に、ABテストでカードレイアウトや抜粋長、サムネイル有無を比較すれば、チームの共通認識が一気に固まります。
検索結果ページを外注する場合のポイント
「検索で探しやすいサイトにしたい」「0件時の離脱を減らしたい」といった課題は、テーマの作りやコンテンツ規模によって工数が上下します。ざっくり相場感と進め方、用意しておくと話が早い情報をまとめます。
項目 | ポイント |
---|---|
費用の目安 |
・見た目の微調整のみ:20,000~50,000円(カード設計・0件時メッセージ・検索フォーム整理) ・検索条件追加や並び順ロジック調整:50,000~120,000円 ・同義語対応・計測設計・高速化まで:120,000円~(規模と要件次第) |
依頼の流れ |
1. 現状の課題共有(離脱ポイント・0件率・見せたい投稿タイプ) 2. ワイヤーと要件整理(UI、並び順、0件時導線、計測) 3. 実装・確認(ステージング→本番反映)/運用で微修正 |
準備しておくと便利 |
・代表的な検索ワードと“探し方”の傾向(社内ヒアリングでもOK) ・優先表示したい投稿タイプ/カテゴリのリスト ・コンテンツ側で使う用語(同義語・表記ゆれ)の簡易辞書 |
検索結果ページは、サイト内でもっとも「意図と答え」が近づく場所です。UIの整頓・0件時の導線・並び順の最適化・同義語対応という順番で攻めると、効果と工数のバランスが取りやすく、短期で効果が体感ができます。
赤は見た目の整備と0件対策に集中、オレンジは並び順と内部リンクの設計、緑は関連度と高速化まで踏み込むのが基本です。
数字を見て微調整を続ければ、検索は確実に育ちます。負荷が高いところは上手に外注して、運用で磨いていきましょう。