サイトリニューアルでSEOを落とさないためのチェックリスト

この記事はこんな人向けです
  • デザインを一新したいけど、リニューアル後のSEO順位低下が怖い
  • 制作会社に任せたが、SEO対策までフォローされているか不安
  • URLや構造を変える前に、最低限チェックしておくべき項目を知りたい

WordPressレベル別 対応難易度

Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7
レベル判断は、右のレベル表(スマホは画面下)を参考にしてください。

赤:外注推奨 オレンジ:条件付き自力可 緑:自力対応可

検索順位を落とさないリニューアルの全体像と対応方針

サイトリニューアルでは「見た目を変える=SEOも初期化される」と思われがちですが、実は対策次第で維持も可能です。
URL・内部リンク・リダイレクト・構造化データなど、移行時の“技術的SEO”をしっかり押さえることが重要。
焦らず段階的にチェックすれば、順位を落とさずスムーズに移行できます。

リニューアル前にやるべき準備

リニューアル前に「何を持っているか」を整理しておくと、トラブル発生時も落ち着いて対応できます。
特にURLとアクセスデータは、SEOを維持する上での生命線。
バックアップと記録を徹底し、いつでも元に戻せる状態を作っておきましょう。

移行後1週間で確認すべき項目

リニューアル後は「公開したら終わり」ではなく、「安定稼働を確認するフェーズ」。
1週間の観察で異常がなければ、SEO上のリスクはかなり軽減されます。
もし順位が下がっても、2~4週間は再評価期間として様子を見ましょう。

失敗しないためのチェックリスト

このチェックリストを一通り確認しておけば、リニューアルによるSEO下落のリスクは大幅に減らせます。
もし抜け漏れがあっても、リダイレクトと構造化データの修正で多くは挽回可能です。
デザインよりも「評価の引き継ぎ」を優先し、慎重に進めましょう。

リニューアルSEO ~WordPressレベルごとのおすすめ対応

「構造を変えない」判断が最善

リニューアルでSEOを落とす最大の要因は、URL構造の変更や見出し階層の崩れです。赤レベルの方は、「デザインだけ変えて、構造はそのまま」を意識し、外注する場合はそれをしっかり伝えましょう。

URL(スラッグ)を変更すると、Googleの評価がリセットされることがあります。ページが同一内容でも、URLが違えば別ページとみなされるためです。

リニューアル前にやっておきたい基本チェックは次の3点です。
1. 旧URLと新URLの一覧をエクセルで作成
2. Googleサーチコンソールの「上位ページ」をエクスポート
3. 旧サイトのメニュー・内部リンクをすべてスクリーンショット保存

ここまで準備できていれば、外注先にも明確な指示が出せます。構造を変えないだけでSEOの落ち幅は最小化できます。

「リダイレクトと内部リンク」を最優先に整備

ある程度WordPressに慣れているオレンジレベルの方なら、リニューアル時に最も注意したいのは301リダイレクトの設定です。
URL構造が変わった場合、旧ページ→新ページへの恒久的リダイレクトを設定しないと、検索順位と被リンクの評価が分散してしまいます。

リダイレクト設定のポイントが下記です。
・旧URLと新URLの対応表を作る
・プラグイン「Redirection」などを利用して1対1で登録
・カテゴリ変更やパーマリンク再設定後の内部リンクを再確認

また、内部リンクも軽視できません。リニューアルでデザインを刷新すると、ナビゲーションや関連記事リンクが変更され、クローラビリティが下がることがあります。

トップページ・カテゴリページ・人気記事など、内部導線の重要度が高いページを優先的に点検しましょう。
GoogleアナリティクスやSearch Consoleの「ランディングページレポート」を見れば、流入が多いページの優先順位も明確になります。

「構造化データ」と「サイトマップ再送信」で仕上げ

開発経験がある方やSEOに強い緑レベルの方は、最終段階で構造化データとインデックス制御を最適化しましょう。
リニューアル時にHTML構造が変わると、構造化データ(FAQ、Breadcrumb、Articleなど)の記述が崩れることがあります。

対応手順の一例:
・Schema.org形式(JSON-LD)を最新仕様に更新
・パンくずリストのマークアップを再検証
・noindex/nofollow設定を再チェック
・robots.txtとXMLサイトマップを再送信

また、Search Consoleで「カバレッジエラー」や「検出 – インデックス未登録」などが増えていないか確認。
リニューアル直後はクローラーが再クロールに時間を要するため、Fetch as Google(URL検査)で優先クロールを促すのも有効です。

最後に、アナリティクスとSearch Consoleの連携を再確認。
ドメイン変更やトラッキングコード更新時に設定がずれていると、データが正しく計測されません。

リニューアル時にSEOを外注する場合のポイント

SEOの維持を重視するなら、デザイン制作だけでなく「移行SEO」を専門に扱う業者を選びましょう。
提案段階で「URLマッピング」「リダイレクト設計」「移行前後の比較テスト」まで言及できるかが判断ポイントです。

項目ポイント
費用の目安 ・基本監修(URL設計・リダイレクト設計)… 5~10万円
・実装+検証付きプラン … 15~30万円
・全面移行プロジェクト… 50万円~
・既存SEO業者との連携を含む場合は要見積もり
依頼の流れ 1. 現状サイトのURL一覧・アクセスデータを共有
2. 新サイト構成案とマッピング表の作成
3. リダイレクト設定とテスト(旧→新)
4. Search Console再送信+計測開始
準備しておくと便利 ・旧サイトのURLリスト(Googleスプレッドシート等)
・アクセス上位100ページのレポート
・主要キーワードとその順位履歴
・GA/SCの管理権限、FTPまたはサーバー情報
まとめ

リニューアルでSEOを落とさないポイントは、「旧サイトの資産を引き継ぐ」ことに尽きます。
は構造変更を避け、オレンジはリダイレクトと内部リンクの整備、は構造化データまで最適化を意識すれば万全です。

SEOは「引き算」より「引き継ぎ」。
移行直後の1~2か月は順位が安定しにくいですが、焦らずデータを観察し、調整を積み重ねていきましょう。

この記事を書いた人
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桐山智行(株式会社H.T.P. 代表)

2007年よりWeb制作に従事し、現在は企業サイトやWordPressの保守・改善支援も行っています。これまで100社以上・500サイトを超える案件を担当し、トラブル対応から集客サポートまで幅広く経験しています。

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