プラグインを使わずにできる機能追加(軽量化のための選択肢)

この記事はこんな人向けです
  • WordPressの表示速度やパフォーマンスが気になる人
  • できるだけプラグインを減らして軽量化したい人
  • プラグインを使わずに機能追加する方法を知りたい人

WordPressレベル別 対応難易度

Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7
レベル判断は、右のレベル表(スマホは画面下)を参考にしてください。

赤:外注推奨 オレンジ:条件付き自力可 緑:自力対応可

プラグインを使わずにできる機能追加の全体像と対応方針

WordPressの魅力は、プラグインを追加するだけで多機能になることですが、入れすぎると動作が重くなり、セキュリティリスクも増えます。
そこで、functions.php やテーマ編集を活用して「プラグインを使わずに機能を追加する」ことが、軽量化と安定運用につながります。
ただし、コード編集にはリスクも伴うため、スキルレベルに応じた判断が重要です。

WordPressレベルごとのおすすめ対応

プラグイン利用を優先

正直なところ、赤レベルの方が無理に functions.php を触るのは危険です。ちょっとした書き間違いで「真っ白画面(ホワイトスクリーン)」になったり、セキュリティホールに穴を空けることも珍しくありません。
「お問い合わせフォーム」「SEO設定」「キャッシュ制御」などは、プラグインを使うのが無難です。開発に意欲的なプラグインでしたらアップデート対応もされやすく、安心感があります。

赤レベルの方は「どういう機能を追加したいのか」を整理して、必要最小限のプラグインに絞るだけでも十分軽量化につながります。むしろ「プラグインを減らす」という意識が大切で、安易に入れすぎないことが一番の最適化です。

もし「これ以上減らせないけど速度が気になる…」という状況なら、外注してプロに軽量化調整をお願いした方が安心でしょう。

【関連記事】
→ WordPressの表示速度を改善する方法と外注の選び方
→ WordPress高速化プラグインの選び方と限界

できるところはfunctions.phpで

記事投稿やテーマカスタマイズをある程度やったことがあるオレンジレベルの方なら、functions.php へのコード追記も視野に入ります。
例えば…

  • 不要な絵文字スクリプトの読み込みを停止する
  • デフォルトのjQueryを読み込まずCDNに差し替える
  • 管理画面の不要な通知を非表示にする

こうした軽量化コードは調べればサンプルが多く見つかりますし、コピー&ペーストで動くケースも少なくありません。とはいえ、コピペするにしても、なるべく理解はできるコードを使うことと、トラブル時のリカバリー手順(バックアップ復元など)は押さえておく必要があります。

「実装したい機能の目的」を明確にして、「その機能をコードで追加すべきか、それともプラグインでやるべきか」を一つひとつ判断していくことが、オレンジレベルの方にとって大切な姿勢です。

積極的にコード追加で軽量化

サーバーやテーマ構造に慣れている緑レベルの方であれば、プラグインを使わずコードベースで管理する方がメリットは大きいです。
例えば…

  • アクセス解析タグを直接functions.phpやフックで実装
  • 特定条件でのリダイレクトやリライトルールを追加
  • REST APIやXML-RPCを制御してセキュリティ強化

コードで実装することで、余計なプラグインをインストールせずに済み、セキュリティホールやパフォーマンス低下を防げます。ただし「子テーマ化」や「Git管理」でバージョン管理を行い、いつでも元に戻せる体制を整えることが前提です。

また、独自関数をまとめた「機能追加専用プラグイン」を自作して管理するのも上級者の選択肢です。テーマに依存しない形で機能を保持でき、将来のテーマ変更にも耐えられる構成になります。

実際に削れる可能性のあるプラグイン例(目的別)

「軽量化」「高速化」「保守性アップ」の観点で、テーマ機能やfunctions.phpで代替しやすいプラグインを目的別に整理しました。
削除=正義ではありません。下の事前チェックを満たした上で、段階的に見直しましょう。

表示速度・フロント改善系

  • 絵文字(Emoji)無効化系:コア機能をオフにして読み込み削減で代替可。CDNやキャッシュと重複しやすい。
  • jQuery のバージョン差し替え系:テーマ内で条件読み込みに置換可能。不要なページでの読み込み停止も効果あり。
  • 軽微なヘッダー調整系(meta/OGPの一部):テーマのhead出力に統合。サイト全体で一元管理する方が保守的。
  • CSS/JS の縮小(minify)だけの単機能:ビルド(Vite/webpack)やサーバー側最適化で代替。

管理・編集体験(UX)補助系

  • 管理バー/ダッシュボードの微調整:管理画面の不要ウィジェット非表示はテーマのfunctions.phpでフック対応。
  • 投稿一覧の列追加(ID、サムネ等):カラム追加フックで実装可。要件が固定ならプラグインよりも軽い。
  • 固定のショートコード集:ブロックパターン/ブロックバリエーションやテーマ関数に置換。

セキュリティ・制御の基本系

  • REST API / XML-RPC の単純無効化:フィルター/アクションで制御可能。影響範囲を把握のうえ段階適用。
  • ログインURL変更だけ:他施策(2FA/レート制限/WAF)が堅いなら必須とは限らない。サーバー設定で代替も。
  • コピー防止や右クリック禁止:実効性が低く副作用が出やすい。不要なら撤去して描画を軽く。

メディア最適化の軽量タスク

  • サムネイル自動生成の細分化プラグイン:サイズ設計を見直し、必要枚数だけに。サーバー側の設定・再生成で対応。
  • Lazyload のみの単機能:多くのテーマ/コアで実装済み。二重適用は逆効果になりがち。

削る前の事前チェック

  1. 代替手段が「テーマ or サーバー」で恒久的に維持可能か(更新で消えない・運用で回せる)。
  2. 依存関係の確認(フォームなど別機能が密結合していないか)。
  3. ステージングでの計測(表示速度・CLS・エラー有無を比較、ロールバック手段の用意)。

迷ったら「プラグインを減らす」よりも、まずは重複機能の統合読み込み最適化から行いましょう。
最終的に「テーマ機能+少数精鋭プラグイン」で構成できると、パフォーマンスと保守性のバランスが取りやすくなります。

プラグイン代替コードを外注する場合のポイント

「コード編集は怖い」「でもサイトを軽量化したい」という場合は、外注も立派な選択肢です。以下の観点を押さえて依頼するとスムーズです。

項目ポイント
費用の目安 ・functions.phpに数行追加する程度なら 5,000円~10,000円
・複数機能の整理や軽量化調整なら 20,000円~50,000円
・大規模なテーマ改修や速度改善プロジェクトは 100,000円以上 になることも
依頼の流れ 1. 追加したい機能や不要なプラグインを整理
2. 参考にした記事や要望を共有
3. 見積を確認して発注
4. 作業完了後、テストと確認を行う
準備しておくと便利 ・現在使っているプラグイン一覧
・追加/削除したい機能のメモ
・サーバーや管理画面へのアクセス情報
・希望する速度改善のゴールイメージ
まとめ

WordPressの機能追加は「プラグインに頼る」か「コードで実装する」かの二択に見えますが、実際はその中間を選ぶこともできます。

はプラグイン優先、オレンジは簡単なコード追記も挑戦可、はコード管理で軽量化を狙える、これが基本方針です。

大切なのは「自分のレベルと時間に合った方法を選ぶこと」。無理して触るより、安心して長く使えるサイトにするのが一番です。

もし迷ったら、早めに相談してプロに任せるのが安全で効率的です。

この記事を書いた人
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桐山智行(株式会社H.T.P. 代表)

2007年よりWeb制作に従事し、現在は企業サイトやWordPressの保守・改善支援も行っています。これまで100社以上・500サイトを超える案件を担当し、トラブル対応から集客サポートまで幅広く経験しています。

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