WordPressモバイル対応の修正は自力か外注か?
- スマホでレイアウトが崩れる・文字が読みにくい・ボタンが押しにくいと感じている
- テーマやプラグインをいじってから、レスポンシブが効かない/ハンバーガーメニューが開かない
- PageSpeed InsightsやSearch Consoleで「モバイルの問題」を指摘され、自力で直すか外注するか迷っている
WordPressレベル別 対応難易度
赤:外注推奨 オレンジ:条件付き自力可 緑:自力対応可
WordPressモバイル対応の全体像と対応方針
スマホ最適化は「見た目の崩れ」だけでなく、可読性・タップしやすさ・表示速度(Core Web Vitals)の総合点で考えるのがポイントです。
軽微なCSS調整で直るケースもあれば、テーマ設計やプラグインの競合、画像最適化・JS遅延など、影響範囲が広い場合もあります。
自分のレベルと工数・リスクを見極め、短時間で安全に直せる範囲は自力、骨太な改修は外注が基本方針です。
モバイル対応 ~WordPressレベルごとのおすすめ対応
まずは状況共有の整理に集中
初心者~初級レベルでは、無理なテーマ編集やプラグイン総入れ替えは禁物です。やりがちなのは、子テーマを使わずにstyle.cssへ追記、JSを消してメニューが動かなくなる…といった事故です。復旧対応のほうが高くつくパターンも考えられます。
この段階でやるべきは「現状整理」。次のことをそろえると外注が一気にスムーズになります。
- スマホ実機のスクショ(崩れている箇所の拡大含む)
- 使用テーマ/親子テーマの有無、主要プラグイン一覧(キャッシュ系・ビルダー系)
- 発生タイミング(テーマ更新・プラグイン追加・固定ページ新規作成 など)
- もしわかれば、Search Console/PSIの結果(モバイルの問題やLCP/CLSの数値)
これだけで原因のアタリがつきやすく、外注する場合の「初動の調査費」を抑えられることも多いです。赤レベルは基本外注推奨です。短時間で確実に仕上げるほうが、ビジネス的にも合理的といえます。
安全な切り分けだけ実施
日常的にテーマ編集や、プラグインのON/OFFに慣れている中級寄りのユーザーは、低リスクの切り分けなら自力対応が現実的です。以下の順で安全側から確認していきます。
- キャッシュ削除・遅延の影響確認:キャッシュ/最適化プラグイン(例:Autoptimize、LiteSpeed Cache等)を一時停止し、モバイル表示の再検証
- viewport確認:<meta name=”viewport”>が正しいか、固定幅指定が入っていないか
- 画像最適化:幅にあったサイズへリサイズ、WebP化、LazyLoad設定の確認(ヒーロー画像はLCP対策で遅延させない)
- プラグイン競合の切り分け:ビルダー系(Elementor/Divi/Block拡張)やスライダー、メニュー、LightboxなどUI系を順にOFF→ON
- テーマ変更による比較:公式テーマ(Twenty Twenty-Four等)で再現するかをテスト(本番は必ずメンテナンス中表示+バックアップ前提)
ここまでで改善しない場合、CSSの詳細度競合・JS初期化順・DOM構造の歪みが疑われます。ここからは子テーマでの調整や、レンダーブロッキングJS/CSSの再設計・CLS発生源(動的挿入バナー、フォント、計測タグ)対策など、コード/設計寄りの改修に踏み込みます。時間コストと事故リスクが急増するため、中級でもここで外注切り替えは賢い判断といえます。
設計から整える
上級者は、設計レイヤーから抑えます。主な観点は次の通りです。
- ブレークポイント戦略:主要端末幅(360/390/414/768/1024px等)でのメディアクエリ設計、コンポーネント単位のレスポンシブ指針
- ナビゲーション:ハンバーガーのアクセシビリティ(フォーカス管理、ARIA)、初期化タイミング、遅延読み込みとの整合性
- 速度最適化:Critical CSS抽出、非同期/遅延読み込み(JSのdefer/async、CSSのpreload/媒体別読込)、CDN・HTTP/2活用
- Core Web Vitals:LCP候補の先読み(rel=preload)、CLS要因(広告枠/埋め込み/フォント)への寸法予約、INP改善(ハンドラ最適化)
- ビルダー併用の最小化:DOMネスト・インラインCSS・不要JSを削減し、テーマ/ブロックベースへ寄せる
- デザインシステム:余白・文字サイズ・見出し階層を体系化し、可読性とタップ領域(48px目安)を標準化
上記を回しながら、Lab(PSI/ Lighthouse)とField(CrUX/GA4)の差分を検証し、CLSとLCPのトレードオフ、初期描画と遅延の境界をチューニングしていくのが王道です。
規模が大きい場合は、段階リリース(A/B)やテンプレート単位の展開順を設計して、事故率を下げます。
なお、AMPは現在の運用では必須ではないケースが多数です。むしろクリーンなレスポンシブ+高速化を進めた方が、保守コストと品質のバランスが良いことが多いです。
外注する場合のポイント
「短期で確実に直したい」「設計からやり直したい」なら外注が近道です。費用や流れ、準備物を先に把握しておきましょう。
項目 | ポイント |
---|---|
費用の目安 |
・軽微なCSS調整(1~2画面の崩れ修正):10,000~30,000円 ・メニュー/スライダー等のUI修正・競合切り分け:30,000~80,000円 ・速度最適化(LCP/CLS/INP対策、設計見直し含む):80,000~200,000円目安 ・テンプレート/ビルダー大幅改修・デザイン再設計:20万円~(規模次第) |
依頼の流れ |
1. 相談(現状のスクショ・PSI結果・再現URLを共有) 2. 切り分けプランと見積り受領(範囲・納期・バックアップ方式の合意) 3. 着手(ステージング推奨)→確認→本番反映→計測で着地確認 |
準備しておくと便利 |
・再現手順(端末/OS/ブラウザ、発生ページのURL) ・テーマ/プラグイン一覧、キャッシュ系設定のスクショ ・Search Consoleの「モバイルの使用性」、PageSpeed Insightsの数値とスクショ ・更新履歴(いつ、誰が、何を変えたか)と、バックアップの有無 |
モバイル対応は「見た目」だけでなく、使いやすさとスピードを含む総合課題です。軽微な崩れは中級者までなら自力で直せる一方、設計・速度・競合が絡むと一気に難度が上がります。
赤は整理して外注、オレンジは安全な切り分け、それ以上は外注、緑は実装最適化までOKを目安に、時間×リスク×品質のバランスで判断しましょう。
「早く確実に直したい」「計測でスコアを出したい」なら、プロに任せることをおすすめします。まずは状況を共有して、最短ルートで解決していきましょう。