WordPress保守契約の料金相場と比較ポイント
- 「保守って結局なにをやってくれるの?」と具体像がまだぼんやりしている
- 相見積もりの価格差が2~3倍あって、どれが妥当か判断に迷っている
- 自分でやれる範囲を残しつつ、任せるべき所だけを外注したい
WordPressレベル別 対応難易度
赤:外注推奨 オレンジ:条件付き自力可 緑:自力対応可
WordPress保守の全体像と対応方針
保守費用は、「対応の速さ(SLA)」「見ている範囲(監視)」「運用代行の量」で大きく変わります。
まずは「自分でやれること」「任せたいこと」を切り分け、相場の目安と比較ポイントを押さえたうえで、見積もりを並べて判断するのが良いです。
この記事では、レベル別におすすめの進め方と、見積もり書でチェックすべき勘所をまとめます。
WordPress保守 ~レベルごとのおすすめ対応
まずは丸投げ、相場は「必要十分」に合わせて選ぶ
赤レベルの方は、保険の感覚で丸投げするのが、その後のトラブルを考えると結果的にコスパが良くなることが多いです。月額の目安は次の通りです。
・最低限:5,000~15,000円/月(コア/プラグイン更新、月1バックアップ、軽微相談)
・標準:15,000~30,000円/月(週次バックアップ、簡易監視、障害一次対応、作業枠1~2h)
・上級:30,000~100,000円/月(365日24時間相当の一次受付、セキュリティ強化、運用代行多め)
この層で大事なのは、“更新で壊さない仕組み”と“早めの異常検知”です。見積もりには次が含まれているかをチェックしましょう。
・定期バックアップの頻度と保存先(サーバー内だけでなく外部ストレージが理想)
・更新の手順(検証→本番)と、異常時のロールバック可否
・セキュリティ(ログイン防御、脆弱性情報のトラッキング、WAF設定の確認)
・障害時の応答時間(SLA)と、時間外対応の扱い(割増の有無)
「記事の入れ替えや画像最適化など運用タスク」も任せたいなら、作業時間の月枠などがついたプランも提案してもらうと失敗が少ないです。枠を超えた分は都度見積もりになるので、超過単価も合わせて確認が必要です。
SLAと監視の深さで選ぶ
テーマやプラグインの選定・更新、子テーマ調整あたりは自分で回せるなら、“いざという時の保険+監視”に比重を置いてコスト最適化ができます。
この層での相場感は、10,000~30,000円/月が目安です。次の違いで価格が変動します。
・監視の範囲:死活監視だけか、パフォーマンス/異常リクエストまで見るか
・更新の運用:月例まとめてか、即時の脆弱性パッチ反映まで含むか
・バックアップ:世代数・復元テストの有無(バックアップを取ってるけど戻せない問題を避ける)
比較ポイントはもう一歩踏み込んで、実務で困る所の線引きをどうするか?
たとえば…
・「トラブル一次切り分け」は料金内?サーバー/テーマ/プラグインのどこまで?
・キャッシュ/CDN/LiteSpeedなど高速化まわりの調整は含まれる?
・フォームや会員機能など、コンバージョン直結部分の障害を優先する規定がある?
自力で触れるオレンジレベルの方は、保守側と作業が重なることもあります。その場合は、連絡ルール(変更前の共有・変更履歴)も決めておくと、巻き戻しの事故が減ります。
CI/CDや監視を自前で構築するか、運用だけ委任するか
Git/ステージング/自動テスト/監視を自前で回せるなら、保守は「緊急対応の窓口」または「一部の専門領域」に絞るのが合理的。目安は5,000~15,000円/月(一次受付+最小限の監視)か、特定領域にだけ月額または都度見積もりで依頼する形です。
この層のチェック観点は、“外部に出しにくい所の補完”。
例として…
・セキュリティ運用(ログ監査、侵入兆候の調査、脆弱性対応の代行)
・決済・会員・予約など止めたくない機能の冗長化/復旧設計のアドバイザリ
・障害時の連絡網とエスカレーション(サーバー/ドメイン/メール/外部APIの連携含む)
SLI/SLOを運用しているなら、保守側のSLA(初動○分/復旧目標○h)と齟齬がないかを合わせて設計。“誰がスイッチを押すか”(DNS切替、キャッシュ無効化、公開停止判断など)をプレイブック化しておくと、夜間の混乱が激減します。
WordPress保守を外注する場合のポイント
“安いから”ではなく、“自分の運用に合うか”で選ぶとうまくいきます。費用・流れ・準備物をサクッと把握しておきましょう。
項目 | ポイント |
---|---|
費用の目安 |
(下記のプラン名は仮です) ・初期整備:全体設計確認/更新テスト/セキュリティ初期設定など 10,000~50,000円/初回のみ ・ライト:5,000~15,000円/月(更新+月次バックアップ中心) ・スタンダード:15,000~30,000円/月(監視+障害一次対応+小作業枠) ・プレミアム:30,000~100,000円/月(SLA厳しめ、セキュリティ/代行多め) ・スポット対応:5,000~30,000円/件(緊急は割増になりがち) |
依頼の流れ |
1. 現状ヒアリング(サイト規模/更新頻度/困りごと/SLA希望) 2. 方針提案と見積り(監視範囲・更新手順・作業枠・超過単価) 3. 初期整備(バックアップ設計/更新手順の整流化/権限整理)→運用開始 |
準備しておくと便利 |
・管理者/編集者アカウントの方針(個人共有を避ける) ・サーバー/ドメイン/メールの契約情報(緊急時の連絡先含む) ・直近3~6か月のトラブル履歴(時間帯/対象機能/影響範囲) ・更新/公開フローのメモ(誰が/いつ/どうやって) |
保守費用は、何をどの速さでやるかで決まります。値段だけで比べず、監視の深さ・更新手順・SLA・作業枠の4点を横並びでチェックしましょう。
赤は丸投げ外注、オレンジは保険+監視を最適化、緑は専門領域に絞って委任、が基本方針です。
“壊さない仕組み”と“問題に早く気づける体制”さえ整えば、月額は無駄に膨らみません。あなたの運用に合う設計で、安心とコストのバランスを取りましょう。