WordPress保守を外注する場合に含まれる作業内容

公開：2025.10.04

この記事はこんな人向けです

「WordPress保守を外注したら何をやってくれるの？」と作業範囲を把握したい
自社でやるべきこと／外注に任せるべきことの線引きを決めたい
料金相場・依頼の流れ・準備物を事前に確認してスムーズに進めたい

WordPressレベル別対応難易度

Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7

レベル判断は、右のレベル表（スマホは画面下）を参考にしてください。

赤：外注推奨オレンジ：条件付き自力可緑：自力対応可

WordPress保守を外注する場合の全体像と対応方針

WordPressの保守は「壊れたら直す」だけではありません。コア・プラグイン更新、バックアップ、監視、脆弱性対応、速度最適化、運用相談まで、継続的にサイトを守り育てる仕事です。
これらは絶対に必要になり、自社の体制・スキル・稼働を踏まえ、外注に任せる範囲を決めるとコスパが良くなります。
この記事ではレベル別に「任せどころ」を整理し、費用感と進め方もあわせてまとめます。

WordPressレベルごとのおすすめ対応

まずは保守の基本セット

赤レベルの方は、更新やバックアップを自分でやるのが不安、または時間がかかり、その時間が取れないと思われます。
最初は「保守の基本」を外注しておくのが安全です。いわゆる定期メンテナンス＋監視＋障害一次対応のセットを押さえておくと、突発トラブルでも慌てません。

含まれやすい作業内容は、だいたい次のようなものです。
・WordPressコア／プラグイン／テーマのアップデート管理（互換性チェック、段階的更新、ロールバック手順の用意）
・自動／手動バックアップの設計（世代管理、保存先分離、復元テスト）
・セキュリティ強化の初期設定（ログイン保護・不要機能無効化・権限見直し・ファイル改ざん検知）
・稼働監視（死活監視・HTTPエラー監視・ディスク/CPU/メモリ簡易監視・SSL期限アラート）
・障害一次対応（不具合の切り分け、緊急停止やキャッシュ無効化、復元、仮復旧）

あわせて、お問い合わせフォームの送信確認、サイトマップの再生成、検索インデックスの健康診断など、日常の“見えない劣化”を防ぐ点検も保守範囲に入ることが多いです。
「SEOに悪影響が出ていないか」「スパムが増えていないか」など、気になることは保守を請け負う業者に相談すると、改善タスクに落としてもらえます。

ポイントは、“緊急で困りたくないところ”だけでも先に外注しておくことです。費用は発生しますが、担当者の心理負担と機会損失がグッと減ります。

一部は自力、要所は外注で“最短・最小リスク”を狙う

オレンジレベルの方は、投稿や設定変更には慣れていても、本番更新の安全運用や脆弱性対応、速度チューニングは判断が難しいと思われます。
なので、条件付きで自力、つまり「やること・やらないこと」を決めておくと、無駄なくスマートに回せます。

外注に任せると効く作業の例：
・ステージング環境での検証運用（更新前リハーサル、差分チェック、ロールバック計画）
・脆弱性情報のトリアージ（影響評価、対応優先度、代替策提示）
・WAF/Firewall設定の最適化と誤検知チューニング、BOT対策（reCAPTCHAやTurnstileの適用検討）
・パフォーマンス改善（キャッシュ戦略、画像最適化、遅延読み込み、CLS/INP対策、DB最適化）
・ログ設計（アクセスログ・エラーログ・監査ログの収集方針と保管）

逆に、自力でやりやすい作業は、
・記事更新、固定ページの軽微な編集、画像差し替え
・フォームの文言修正や通知メールの宛先変更
・軽微なCSS微調整（レイアウト崩れの応急処置）
といった日常運用まわりです。

外注を検討する場合は、SLA（対応時間の目安）と連絡手段（チャット/メール/電話）を明確化しておくと安心です。障害時の「一次切り分け→復旧→原因共有→再発防止」の流れをテンプレ化しておくと、担当が変わっても迷いません。

また、“改善提案”を保守範囲に含めるかも検討ポイントです。アクセス解析やSearch Consoleの気づきを月次でまとめてもらい、小さな改善（UI、導線、LCP短縮）を継続できると、ただ守るだけの保守から一歩前に進めます。

高度運用は、設計と自動化で守備範囲を広げる

サーバー・Git・CI/CD・監視基盤に明るいなら、保守の内製化も視野。とはいえ、24/365の一次対応や外形監視、脆弱性トリアージはアウトソースした方が総コストが下がるケースも多いです。

緑レベルの方が外注を活用するなら、“SRE的に”穴を埋めてもらうのが有効。
・アラート設計（閾値・遅延・一時的なスパイクを考慮したノイジーさ対策）
・バックアップ/リストアの定期ドリル（RTO/RPOの見直し）
・脆弱性の定期レビューと運用設計（ゼロデイ時の手順と連絡網）
・大規模改修前後の負荷テスト・監視増強のスポット支援

結果として、“自分たちでやる価値の高い領域”に集中でき、障害時の復旧時間も短縮。内製と外注をハイブリッドに回すのが、最小のコストで最大の安心を得るコツです。

WordPressの保守を外注する場合のポイント

外注の失敗は、作業範囲の齟齬から生まれがちです。下の3点を押さえるとスムーズに進みます。

項目	ポイント
費用の目安	月次の基本保守（更新・バックアップ・監視・軽微対応）で 5,000～20,000円前後。障害対応のスポットは 10,000円～、緊急は割増あり。改善提案や速度チューニングを含むと 30,000円～になることも。
依頼の流れ	1. 目的と範囲を共有（更新・監視・障害一次対応・改善のどこまでか） 2. 現状ヒアリング（サーバー種別／使用プラグイン／既存のバックアップ有無） 3. 見積・SLA・連絡手段の確定（対応時間帯、初動の目安、連絡チャネル） 4. 初期整備（バックアップ設計、更新手順、復元テスト、監視設定） 5. 月次運用（レポート共有、改善タスクの提案・実施）
準備しておくと便利	・サイト概要（目的、KPI、更新頻度）と運用体制のメモ・サーバー/ドメイン情報の共有方針（権限付与ルール、二段階認証）・プラグイン一覧とライセンス状況、既存のバックアップ/監視の有無・障害時の優先順位（フォーム停止＞管理画面＞一部レイアウトなど）と連絡網