表示崩れを直す外注の費用相場と依頼ポイント

この記事はこんな人向けです
  • 更新したらデザインが崩れた/スマホだけレイアウトがズレるなど、表示崩れに困っている
  • 原因が「テーマ」「CSS」「プラグイン」「ブロックエディタ」どれか分からず、自力で触るのが不安になってきた
  • 「外注するならいくら?」「どこまで準備すれば早く直る?」など、費用相場と依頼手順を知りたい

WordPressレベル別 対応難易度

Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7
レベル判断は、右のレベル表(スマホは画面下)を参考にしてください。

赤:外注推奨 オレンジ:条件付き自力可 緑:自力対応可

WordPressサイトの表示崩れの全体像と対応方針

表示崩れは、ちょっとしたCSSの競合からテーマ/プラグインの更新、ブロックエディタのHTML差異、レスポンシブ設定、CLS(レイアウトシフト)まで原因が幅広いです。
「いつ何をしてから崩れたか」を時系列で整理し、影響範囲(PC/スマホ/特定ブラウザ/特定固定ページ)を切り分けるのが最短ルートです。
自力調整は小さな見た目のズレまで、構造や仕様が絡むなら外注で安全・確実に直す方針が無難です。

表示崩れを直す ~WordPressレベルごとのおすすめ対応

無理せず任せる

赤レベルの段階では、CSSの優先度(specificity)テーマの継承関係(子テーマ)ブロックのHTML階層といった基礎がまだ定着していないことが多く、見た目だけを直そうとして別のページが崩れる…という“事故”が起きやすいです。

このレベルの方におすすめなのは、情報整理と証跡の確保です。
どのページのどの要素が、どの画面幅で、いつから崩れたか、などの状況をスクショとメモで残し、直前の操作(テーマ/プラグイン更新、ウィジェットや固定ページの編集など)もメモしておきましょう。テーマの名前とバージョン、問題が出ているURLもセットでメモしておくとわかりやすいです。

やってもよい自力の範囲は、キャッシュ削除(プラグイン・サーバー・ブラウザ)最近入れたプラグインの一時停止(フロントに関係ありそうなものだけ)別ブラウザやシークレットでの再現確認など、元に戻せる軽作業のみです。
テーマファイルの直編集や、ブロックのHTML改変は手を出さない方が安全です。

崩れは放置するとCV低下やブランド毀損にもつながります。
「原因を推測せず、状況を丁寧に伝えて任せる」が、結局いちばん早く、コストも抑えやすい判断になります。

影響範囲の切り分けがカギ

オレンジレベルの方は、「どこで壊れているか」を段階的に切り分けましょう。
まずはテーマを一時的に既定テーマへ切り替えて再現するか確認します(本番環境でなく検証環境が前提です)。再現しないならテーマ起因、再現するならプラグインやコンテンツ側の可能性が濃くなります。

次に CSSの優先度 を確認します。
ブラウザ開発者ツールのElements/Stylesで当該セレクタに当たっているルールとオーバーライドをチェック。!important での力技は後々のメンテ難易度を爆上げするので、子テーマの適切な読み込み順BEM風のスコープ設計で正攻法の上書きがおすすめです。

レスポンシブ崩れなら、メディアクエリの閾値(min-width / max-width)や、Flexbox / Grid の折返し・縦揃え・ギャップ設定、画像の横幅・高さ指定(object-fit / aspect-ratio)を点検します。
CLS(Cumulative Layout Shift)が目立つなら、画像にサイズ属性を付与する/Webフォントの表示戦略を見直すなどの“構造寄り”の対策が必要です。

ここまでで「修正箇所が多岐にわたる」「CMS構造の変更が必要」とわかったら、スパッと外注へ切り替えを検討しましょう。
「やったことリスト」「再現手順」「影響ページ一覧」を渡せば、作業も減る可能性がありますので、良心的な業者でしたら見積もりも安く済みます。

設計から“負債”を減らすリファクタ

緑レベルの方は、「場当たり修正をやめ、設計から整える」のが最短。子テーマでのスタイル分離、style.css の責務分割(base / layout / component / utility)、ビルド環境があるならPostCSSやSassで設計を再整理。テーマ更新に耐えるクラス命名・スコープを作り、!important撲滅グローバル汚染の抑制を進めます。

ブロックエディタ起因の差異は、エディタ用CSS(editor-style)とフロント用CSSの不整合が原因のことも。ブロックテンプレートやパターンのマークアップを確認し、「HTML構造に依存しないセレクタ」を意識。パフォーマンス観点では、不要なCSSの削減・遅延読込、画像のwidth/height付与fetchpriorityの検討、フォントのプリロード戦略を見直すと、崩れとCLSが同時に改善します。

ただし、テーマのメジャーアップデートやビルダー系プラグインの大規模移行が絡む場合は、設計変更込みの案件として見積んだ方が安全。既存負債を背負ったまま応急処置を重ねるより、部分的なコンポーネント化+段階的な置換で中長期の保守コストを下げる判断が合理的です。

表示崩れを外注する場合のポイント

「売上に影響してる」「今週のキャンペーンに間に合わせたい」など時間的な制約があるなら、迷わず外注が良いです。費用感・流れ・準備物を押さえて、ショートカットしましょう。

項目ポイント
費用の目安 ・軽微なCSS調整(1~2箇所/1テンプレート内)… 5,000~15,000円
・複数ページに跨るスタイル修正/レスポンシブ最適化… 30,000~80,000円
・レイアウト再設計(テーマ更新対応・設計見直し込み)… 100,000円~
・緊急/当日対応は割増の可能性(夜間・休日は追加)
依頼の流れ 1. 事象整理を送付(URL/スクショ/再現条件/直前の操作)
2. 切り分け結果の共有(テーマ起因っぽい等)→ 概算見積
3. 検証環境で修正・確認 → 本番反映(バックアップ前提)
4. 納品(修正点のメモ/将来の運用アドバイス)
準備しておくと便利 ・発生ページのURL一覧とスクリーンショット(PC/SP)
・再現方法(ブラウザ名・画面幅・操作手順)
・直前の変更履歴(更新/追加プラグイン/編集者)
・テーマ名・バージョン、使用中プラグインの一覧(分かる範囲でOK)
まとめ

表示崩れは「小さなCSSの競合」から「設計見直しレベル」まで幅広く、切り分け精度=解決速度です。

は迷わず外注、オレンジは基本の切り分けまで、は根本から整えて後々の修正負担を軽く、これが基本方針です。

費用は影響範囲と設計の複雑さで変動します。情報整理を先にやるほど見積もりは正確になり、結果的に時短・コスト圧縮につながります。

「どこから着手すべき?」で迷ったら、URLとスクショだけでも大丈夫です。状況を見れば最短ルートを提案できます。

この記事を書いた人
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桐山智行(株式会社H.T.P. 代表)

2007年よりWeb制作に従事し、現在は企業サイトやWordPressの保守・改善支援も行っています。これまで100社以上・500サイトを超える案件を担当し、トラブル対応から集客サポートまで幅広く経験しています。

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