個人ブログから企業サイトまで|WordPress構築費用の目安一覧

この記事はこんな方におすすめ

  • ブログ/コーポレート/採用/集客LPなど、サイト目的に合った構築費用の目安を掴みたい方
  • 「ページ数・デザイン・機能・保守」など、費用の内訳の考え方を整理して比較したい方
  • フリーランスと制作会社の使い分けや、予算内に収める現実的な進め方を知りたい方

WordPressレベル別 読みどころガイド

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赤:外注依存度「高」 オレンジ:外注依存度「中」 緑:外注依存度「低」

この記事はあなたのWordPressレベルによって見解が異なります。
右のレベル表(スマホは画面下)を参考に、記事内の「赤・オレンジ・緑」のパートを読み分けてください。
※「外注依存度」とは、作業や確認を自分でどこまで対応するか、もしくは外注に任せるかの度合いを示しています。

構築費用の基本

WordPressの費用は「目的(何を達成したいか)×依頼範囲(どこまで任せるか)×品質要件(速度/セキュリティ/運用性)」で決まります。
同じページ数でも、デザインの作り込み・機能の有無・素材準備・検証範囲で金額は大きく変わります。まずは要件を最小構成で固め、段階拡張していくのがわかりやすくコスパも良くなります。

以下ではレベル別に「確認ポイント→費用の目安→準備物」を整理し、個人ブログから企業サイトまでの現実的なレンジをまとめます。

WordPress構築費用の目安一覧

WordPressサイトの構築費用は、サイトの目的・ページ数・機能・デザインの作り込みなどによって変動します。ここでは「フリーランス」と「制作会社」での一般的な目安を整理しました。

サイト種類別の費用目安(フリーランス/制作会社)

サイト種類フリーランス費用目安制作会社費用目安
個人ブログ/ポートフォリオFL 20~50万円AG 40~80万円
小規模コーポレート(10P前後)FL 40~80万円AG 80~150万円
中規模企業サイト(20~40P)FL 80~180万円AG 150~300万円
採用・サービス特化/LP複数展開FL 60~120万円AG 120~250万円
会員制/予約/検索機能付きFL 100~250万円AG 200~500万円

要素別の費用目安(フリーランス/制作会社)

構築を要素ごとに分解した場合の一般的な費用レンジです。全体費用を見積もる際の参考に。

要素フリーランス目安制作会社目安備考
ディレクション・要件定義3~10万円10~30万円打ち合わせ・設計・スケジュール管理など
デザイン(トップ+下層2~3P)10~30万円30~70万円作り込み・修正回数・テイストで変動
コーディング(HTML→WP化)10~40万円30~80万円テーマ構築・レスポンシブ・ブロック対応
プラグイン導入/設定/カスタム5~20万円10~50万円問い合わせ・SEO・キャッシュ・予約など
コンテンツ登録(原稿/画像流し込み)2~10万円5~20万円ページ数・素材支給の有無で変動
テスト・検証(表示/動作/レスポンシブ)3~10万円10~30万円ブラウザ・端末・フォーム検証範囲
納品・初期設定(DNS/SSL/移行)2~8万円5~15万円公開対応・動作確認・管理マニュアル含む
保守・運用(月次)5,000円~2万円1~5万円更新代行・バックアップ・脆弱性対応など

全体構築費は上記を合算しつつ、「どの部分を自社で行うか」「どこまで任せるか」の切り分けで大きく最適化できます。部分外注もうまく使っていきましょう。

構築費用の目安 ~WordPressレベルごとの確認ポイント

前提を固めればムダなコストは削れる

操作や用語がまだ不安な赤レベルの方は、無理に細かい指定をするより、目的・期限・予算上限の3点を先に共有して、プロから最適案をもらうのが安心安全です。
相場のブレは「依頼範囲の曖昧さ」から広がっていくケースが多いです。まずは必須だけに絞ったミニマム構成でスタートし、公開後に足していくことでわかりやすくなります。

確認ポイント

  • サイトの目的(情報発信/問い合わせ/採用/予約など)とKPI(件数・率)を1~2行で
  • 好き/苦手な参考サイトを2~3例(色/フォント/動き/写真テイストなどのNGも)
  • 公開期限の優先度(スピード最優先か、品質重視か)
  • ドメイン/サーバー/SSLの状況(不明なら調査前提でOK)
  • 見積書は作業内訳と除外範囲の記載を依頼(“一式”を避ける)

費用の目安(規模別のざっくり感)

  • 個人ブログ(既存テーマ活用/5~10P):20~50万円
  • 小規模コーポレート(トップ+下層5~10P/問い合わせ):40~80万円
  • 採用情報追加、簡易LP/実績一覧などの拡張:+10~40万円
  • 素材制作(写真撮影/図解/コピー制作)や短納期は上振れ要因

準備(この3つで十分スタート切れます)

  • 会社ロゴ/カラー/既存パンフ・会社紹介PDF
  • ページ構成のたたき台(トップ/サービス/会社概要/お問い合わせ)
  • 実績やお客様の声など、載せたい素材のリスト

“内訳の妥当性”を部分チェック。抜け漏れは追加費用の原因

テーマ/プラグインの基本は理解し、簡単な更新は自分でできるオレンジレベルの方は、費用を見極める最大のコツは前提と依頼範囲の固定です。Must/Should/Won’tで要件を仕分けし、相見積もりは同じ条件で依頼しましょう。スピード・品質・保守性のどれを優先するかで費用レンジも変わります。

確認ポイント

  • 環境メモ:PHP/WPバージョン、使用テーマ、主要プラグイン、既存の不具合
  • 非機能要件:表示速度目標(CLS/INP)、セキュリティ方針、バックアップ頻度
  • 計測設計:GA4/広告タグ/イベント/OGP/構造化データの対応範囲
  • 検証範囲:主要ブラウザと端末、アクセシビリティの目安、フォーム/検索/会員の試験観点
  • 納品物:変更点リスト、ロールバック手順、運用マニュアル、ライセンスの扱い

費用の目安(よくあるケース)

  • 中規模サイト(10~30P/下層テンプレ2~3種):80~180万円
  • 機能追加:ニュース/実績/検索/多言語/予約/会員 などは要件次第で+20~200万円
  • 既存テーマ流用+素材支給+明確なワイヤーでコスト最適化が可能
  • 運用代行・更新サポート(月次):1~5万円/月 程度から(作業量で変動)

準備(比較を楽にする共通フォーマット)

  • ワイヤーフレーム(Figma/画像/手書き可)+「どこが良いか」コメント
  • 原稿・写真の確度(ドラフト/最終)と、誰が更新するかの役割分担
  • ステージング有無、本番反映の手順、レビュー/承認の流れ

仕様単位で発注し、差分で見積もる。コストは自分で設計

要件定義や運用の経験があり、役割分担でコストを最適化できる緑レベルの方は、RFP/要件定義書に沿った発注で、見積のブレを最小化。デザインは内製、実装だけ外注/API連携だけ専門家へ依頼などの混成チームも有効です。テスト自動化や再利用コンポーネントで中長期の保守費用も抑制。

確認ポイント

  • 要件票:画面一覧、状態遷移、入力定義、権限、非機能(性能/可用性/セキュリティ)
  • データ移行:CSV/WP-CLI/APIのどれか、差分検知とリハーサル手順
  • テスト戦略:受け入れ基準、端末表、パフォーマンス基準、E2Eとビジュアル差分の自動化
  • 納品・引継ぎ:Gitブランチ戦略、CI/CD、リリースノート、SLA

費用の目安(組み合わせ例)

  • コーポレート+採用(20~40P/多言語なし):150~400万円
  • 会員/予約/検索/外部API連携などの機能:10~300万円(要件の粒度で大きく変動)
  • デザイン一式:10~60万円(バリエーション数と修正回数で調整)
  • 自動テスト・監視導入:5~50万円(初期負担で保守費用を圧縮)

準備(ドキュメントと自動化で強い体制に)

  • リポジトリアクセス、ステージング/本番のデプロイ手順(できれば自動化)
  • イベント設計(GA4/広告/ヒートマップ)+監視/アラート設定
  • 運用ガイドライン(プラグイン追加基準/脆弱性対応/権限管理/レビュー観点)

制作代行の依頼フロー(一般的な流れ)

  1. 目的・KPI・期限・予算上限を共有(1~2段落で簡潔に)
  2. 前提情報を提示(環境/既存課題/素材/担当体制)※上の「確認ポイント」を参照
  3. 相見積もりを2~3社で取得(作業内訳・除外範囲・検証範囲・納期案を揃える)
  4. ステージングで実装→検証→本番反映(差分記録・ロールバック手順・計測確認をセット)
  5. 納品・引継ぎ(成果物一式/変更点リスト/運用手順/SLA/保守開始日の確認)
  6. 公開後の改善(分析→ABテスト→機能/コンテンツ追加)※予算は小刻みに配分

構築費用に関するよくある質問

ページ数が同じでも費用が違うのはなぜ?

デザインの作り込み、下層テンプレの種類、写真/コピーの制作有無、機能の複雑さ、検証範囲(端末/ブラウザ)で工数が変わるからです。同じ10Pでも要件次第で2倍以上差が出ることは珍しくありません。また、WordPress初心者の方へは連絡や説明で対応が増えがちなので、WordPressレベルによっても変動が考えられます。

既存テーマを使えばどれくらい安くなりますか?

要件次第ですが、新規デザイン/テーマ開発を省略できるため、初期費用は数十%下げられるケースが多いです。その代わり自由度は下がるので、優先順位(スピード/コスト/ブランド表現)で判断しましょう。

極端に安い見積は大丈夫?

工数の見積もり漏れや検証不足の可能性があります。追加請求、長期化、途中離脱のリスクも生まれます。支払い条件・検収条件・修正回数・SLAを事前に明記してもらい、範囲が曖昧な「一式」は避けましょう。

保守費用はどのくらい見ておくべき?

軽めの更新/バックアップ/アップデート対応で月1~5万円、更新量が多い/監視や改善を含むと月5~20万円など。トラブル時の初動時間や、緊急対応の有無も確認しておくと安心です。

まとめ

構築費用は「目的・範囲・品質」で決まります。まずは最小構成で制作していき、公開後に段階拡張する方が全体として最適になることが多いです。

は丸投げOKだが前提共有必須、オレンジは要件仕分けと前提統一で追加費用を防止、は仕様単位と差分見積でコスト設計、この見方を押さえると、相場に振り回されません。

フリーランス/制作会社のどちらでも、同条件で2~3社比較が鉄則です。安さだけで決めるより、進行/検証/保守までの総コストで判断しましょう。

迷ったらまず相談&小さく試すこと。公開後の改善に予算を残すと、投資対効果が伸びます。

この記事を書いた人
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桐山智行(株式会社H.T.P. 代表)

2007年よりWeb制作に従事し、現在は企業サイトやWordPressの保守・改善支援も行っています。これまで100社以上・500サイトを超える案件を担当し、トラブル対応から集客サポートまで幅広く経験しています。

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