サイトアイコン(ファビコン)が反映されないときの原因と直し方

この記事はこんな人向けです
  • サイトアイコン(ファビコン)を設定したのに、ブラウザやスマホで表示が変わらない
  • キャッシュ削除や再アップロードをしても改善せず、原因がわからない
  • 自分で直すべきか、どの段階で外注すべきかの判断基準がほしい

WordPressレベル別 対応難易度

Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7
レベル判断は、右のレベル表(スマホは画面下)を参考にしてください。

赤:外注推奨 オレンジ:条件付き自力可 緑:自力対応可

サイトアイコン(ファビコン)が反映されないときの全体像と対応方針

反映されない原因の多くはキャッシュ(ブラウザ/サーバー/CDN)か、設定箇所の取り違え(外部プラグインやテーマ独自設定)です。
次点で、PWAやService Worker・manifest.json・CSP、MIMEタイプ/拡張子(ICO・PNG・SVG)、テーマの構造(wp_head不備・子テーマ上書き)が関係しがちです。
レベルに応じて「安全に試せる順」で原因チェックしていくのがコツです。

サイトアイコンが反映されないとき ~WordPressレベルごとのおすすめ対応

状況メモ+基本確認まで

まずは焦らず、次の範囲だけ確認してメモを残しましょう。ここで無理に設定をいじりすぎると余計こじれます。

  • 「外観」→「カスタマイズ」→「サイト基本情報」で、サイトアイコンが設定されているかだけ確認(差し替えはしない)
  • PCとスマホ、別ブラウザ(Chrome/Edge/Safari)でも表示をチェック
  • 直前に行った操作(テーマ変更、キャッシュ系プラグイン導入、CDN切替など)をメモ
  • 表示が変わるまでに時間差があることを理解(CDN/端末キャッシュの影響)

ここまでで変化がなければ、外注に切り替えた方が早くて安全です。スクショとメモを渡せば、対応がスムーズになります。

低リスクな基本チェック

管理画面の操作に慣れているオレンジレベルの方なら、次の低リスクな範囲を試せます。

  1. ブラウザキャッシュの強制再読み込み:Windowsは「Ctrl+F5」、Macは「Cmd+Shift+R」でキャッシュ削除のリロードができます。
  2. サーバー/プラグインのキャッシュ削除:LiteSpeed Cache、WP Fastest Cache、Autoptimizeなどの「全消去」を実行します。
  3. CDNのキャッシュパージ:Cloudflare等を使っていれば「Purge Cache(すべて)」を実行します。
  4. テーマ側の別設定を確認:テーマやページビルダー(Cocoon・SWELL・AFFINGER・Elementor等)に独自のファビコン設定がある場合、二重設定の競合を解消します。
  5. 画像の要件:WordPress標準は512×512px以上の正方形が推奨です。透過PNGが無難で極端に重い画像やCMYKは避けてください。
  6. 別端末・シークレットウィンドウで再確認(端末キャッシュ影響の切り分け)をします。

ここまでで直らない場合、仕組み側(PWA、CSP、MIMEタイプ、テンプレート構造など)に踏み込む必要が出てきます。無理は禁物で、必要に応じて外注を検討することをおすすめします。

深掘りポイント「テーマ/PWA/サーバー」

開発者視点の「反映されない」典型パターンが下記になります。実装時はバックアップが必須です。

  • テーマ実装の前提:wp_head が正しく呼ばれているか。子テーマでヘッダーを上書きしてheadタグ内の呼び出しが欠落していないか。
  • add_theme_support(‘site-icon’):一部テーマでのサポート/独自実装とのバッティングを確認(重複リンクタグの抑止)。
  • favicon.icoのフォールバック:ドキュメントルート直下に旧favicon.icoが残り、ブラウザがそちらを優先しているケース。意図的に更新するか、適切に整理。
  • 拡張子とMIMEタイプ:SVGを使う場合はWebサーバー(Apache/Nginx)で適切なMIMEが返っているか。Content-Type不一致はキャッシュにも悪影響。
  • Apple touch icon / mask-icon:iOSホーム追加やSafari pinned tab用のリンクが古いまま残存し、デバイス別に別アイコンが参照されている。
  • PWA / Service Worker / manifest.json:PWA化していると、manifest内アイコンService Workerのキャッシュが強力に効く。更新時はmanifestのバージョン管理とSWの更新制御を。
  • CSP(Content-Security-Policy):外部CDNのアイコン配信やデータURIをCSPがブロックしていないかをコンソールで確認。
  • キャッシュ階層の整合:テーマ/プラグインのミニファイ(HTML/JS/CSS)での順序や重複が発生し、古いタグが先勝ちしている。
  • マルチサイト/サブディレクトリ: /blog/ 配下などでルート相対パスの参照がズレ、別パスのfaviconが読み込まれる。
  • robots.txt / アクセス制御:ステージング環境の設定が本番に残り、アイコンだけブロックしている稀な事例。

根本原因を1つずつ潰すために、ネットワークタブで実際にどのアイコンURLが返っているか、ステータスコード/レスポンスヘッダー(Content-Type・Cache-Control・ETag)を確認し、差分を特定するのが最短ルートです。

外注する場合のポイント

「キャッシュ削除で直らない」「PWAやCSPが絡んでいそう」と感じたら、早めの外注が効率的です。費用と段取りの目安を押さえておきましょう。

項目ポイント
費用の目安 ・基本調査+標準修正:8,000~20,000円
・PWA/Service Worker/CSPの調整:20,000~50,000円
・複数環境(CDN・ステージング含む)や大型サイトは別見積り/緊急は割増あり
依頼の流れ 1. 現状共有(対象URL/再現端末/スクショ/直前作業のメモ)
2. 調査方針と見積りの確認(キャッシュ階層・テーマ構造・PWA有無)
3. 影響範囲の説明と合意の上で修正→確認→反映(ロールバック計画込み)
準備しておくと便利 ・管理画面/サーバー/CDNへのアクセス権限(閲覧のみでも可)
・使用テーマ名と主要プラグイン(キャッシュ・PWA系)の一覧
・manifest.jsonの場所、Service Workerの有無、CSP設定の所在(.htaccess/Nginx conf など)
・ステージングの有無と切替手順
まとめ

ファビコンが反映されない原因は、キャッシュ・設定の重複・仕組み側(PWA/CSP/MIME)の3系統に集約できます。

は状況メモまで、オレンジはキャッシュ&基本設定の切り分け、はネットワーク/ヘッダーまで踏み込んで原因を一点突破、が基本方針です。

長引かせると端末やCDNに古い情報が残り、検証が難しくなります。迷ったら早めに相談しましょう。

この記事を書いた人
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桐山智行(株式会社H.T.P. 代表)

2007年よりWeb制作に従事し、現在は企業サイトやWordPressの保守・改善支援も行っています。これまで100社以上・500サイトを超える案件を担当し、トラブル対応から集客サポートまで幅広く経験しています。

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