WordPressでデータベース接続エラーが出たときの対応

この記事はこんな人向けです
  • 画面に「Error establishing a database connection」が出てWordPressにアクセスできない。
  • 直前にプラグイン/テーマ/WordPress本体/PHPを更新した、またはサーバー移行・ドメイン切替を行った。
  • wp-config.php・MySQL(MariaDB)・phpMyAdminなどに少し触れたことはあるが、最短の復旧手順を知りたい。

WordPressレベル別 対応難易度

Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7
レベル判断は、右のレベル表(スマホは画面下)を参考にしてください。

赤:外注推奨 オレンジ:条件付き自力可 緑:自力対応可

WordPressデータベース接続エラーの全体像と対応方針

このエラーは、WordPress⇔MySQL(MariaDB)間の通信が失敗しているサインです。
大別すると、①サーバー側の問題(DB停止・過負荷・障害)、②設定ミス(wp-config.phpのDB情報・ユーザー権限・ホスト名)、③データ破損(テーブル不整合・復元が必要)の三系統。
まずは①②③どの系統かを短時間で切り分け、むやみに触らず復旧>再発防止>運用見直しの順で進めるのが最短です。

データベース接続エラー ~WordPressレベルごとのおすすめ対応

誤操作リスクが高いレベル

データベース系は1つの設定変更で全体がダウンしかねない領域です。復元時点の選び方次第でデータ整合性に影響が出ますので、復旧経験がなければ無理せず外注が安全です。

このレベルの方がやることは、触らず準備に徹すること。
・発生時刻、直前の作業(更新・移行・DNS切替など)をメモ
エラーメッセージのスクショと、サーバー側の障害情報URLの有無を記録
・サーバーパネルでバックアップの有無と世代を確認(わからなければ画面キャプチャ)

あとは、外注先に「いつ・何をして・どこからエラーになったか」を渡すだけでOK。情報が揃っているほど、切り分け・復旧がスムーズになり、費用も抑えやすくなります。

設定・権限・ホスト名を丁寧に

wp-config.phpに記載の DB_NAME / DB_USER / DB_PASSWORD / DB_HOSTを、サーバーパネル・phpMyAdminの実値と照合します。全角/半角や余計なスペース混入は意外と多い落とし穴。サーバーによってはDBホスト名が「localhost」固定ではないケースもあります。

チェック観点(安全順):
・サーバーの障害/メンテ情報を確認(クラウド/レンタルサーバーのステータスページ)
DB容量・同時接続の上限超過やプロセス高負荷の有無
DBユーザー権限(SELECT/INSERT/UPDATE/DELETE/CREATE/ALTER/INDEX など)が外れていないか
・直前にDBパスワードを変更したなら、wp-config.phpの値も同じに更新しているか
WAF/ModSecurityがクエリを誤検知していないか(直前で設定変更していないか)

ここまでで改善がなければ、原因はテーブル不整合・破損・マイグレーション齟齬に及んでいる可能性が高め。バックアップの復元やテーブル修復は事故リスクがあるため、状況をまとめて外注へ渡す判断が賢明です。

ヒント:復旧後は「サイトヘルス」でREST API・ループバック・モジュール警告をチェックし、後日やるべき改善タスクとして洗い出しましょう。

切り分け→最短復旧→恒久対策

サーバー/DB操作に慣れているなら、「実害を最小化する順番」で動きます。
まずは変更凍結(プラグイン更新・キャッシュ破棄・テーマ切替などは停止)、証跡確保(web/error_log・mysqlエラーログ・アクセスログ)から。

切り分け手順の例:
1) 静的ファイル(/robots.txt など)が配信できるか → アプリ層かDB層かを粗判定
2) サーバーパネルでDB停止/高負荷の有無、プロセス数/リソース利用率を確認
3) phpMyAdminで同一資格情報でログイン可否を確認(失敗なら資格情報/権限/ホスト名)
4) 接続できるなら、テーブルステータス/インデックス/オーバーヘッドを点検し、必要に応じて修復
5) 直近バックアップの差分影響(EC/会員DB等)を勘案し、全体復元 or テーブル単位復旧を選択

恒久対策:
・本番の自動バックアップ多世代化(日次×7+週次×4など)と外部保存
ステージング環境で更新検証→本番反映の手順標準化
アプリ/ページキャッシュ+CDN導入でピークトラフィックを吸収
・監視(HTTP/DB応答・リソース・アラート)とインシデント手順書の整備

外注する場合のポイント

「いますぐ復旧したい」「データを壊したくない」場合は外注が近道。費用感と流れ、事前準備を把握しておくとスムーズです。

項目ポイント
費用の目安 ・一次切り分け~暫定復旧:15,000~50,000円(1~3時間)
・バックアップ復元・テーブル修復:30,000~100,000円
・サーバー移行/新DBへ避難:50,000~150,000円(DNS/メール絡みで増額)
・恒久対策(監視/多世代バックアップ/手順化):30,000~100,000円
特急対応(当日復旧)や深夜作業は割増になることがあります
依頼の流れ 1. 状況共有(発生時刻・直前の操作・影響範囲・スクショ)
2. 見積/方針確認(全体復元 or テーブル単位復旧など)
3. アクセス連携(サーバーパネル・SFTP/SSH・phpMyAdmin・WP管理者)
4. 切り分け→最短復旧→恒久対策の提案
5. 報告(作業記録・原因・再発防止のToDo)
準備しておくと便利 ・サーバーパネルURL/ID(2段階認証の有無)
・DB情報(DB名・ユーザー・ホスト名・パスワード/わかる範囲でOK)
・バックアップの有無・世代・保存先
・エラーログ/障害情報ページのURL、スクリーンショット
・移行/ドメイン/SSL/キャッシュ/CDN/WAFなど直前の変更メモ
まとめ

WordPressの「データベース接続確立エラー」は、サーバー障害・設定ミス・データ破損のいずれか(または複合)で発生することがほとんどです。系統を特定し、闇雲な操作は避けるのが鉄則です。

復旧後はバックアップ多世代化更新のステージング検証監視とログ保全で再発率を下げられます。
ビジネス影響が大きい場合は、赤=外注の即断が結果的に最短・最安になることもよくあります。

不安が残る、あるいは時間がないときは、無理せず相談を。状況のメモとスクショがあるだけで、復旧は一気に早まります。