WordPress本体の自動更新でエラーが出たときの復旧手順
- WordPressの自動更新後にエラーやメンテナンスモードのままになり困っている
- ダッシュボードに入れるが更新中に失敗の表示や警告が残り、不安なまま放置している
- 自分で直すか外注するか、判断材料と復旧の進め方を知りたい
WordPressレベル別 対応難易度
赤:外注推奨 オレンジ:条件付き自力可 緑:自力対応可
WordPress本体の自動更新でエラーが出たときの全体像と対応方針
自動更新エラーは、ファイルの書き換え途中で止まる・メンテナンスモードが解除されない・致命的エラー(白画面)など症状は様々です。
まずは「慌てて再更新しない・触りすぎない」を徹底し、バックアップ可否・権限・プラグイン干渉・サーバー容量/制限・wp-cronの状態を順に確認します。
レベル別に安全域で進め、迷ったら早めに外注へスイッチするのが結果的に最短です。
WordPress本体の自動更新エラー ~レベルごとのおすすめ対応
画面が変でも慌てない、情報集めが重要
自動更新で「長い間メンテナンスモードのまま」「真っ白になった」「更新中に何か起きた気がする」、そんなときほど、やみくもにクリック連打や再更新はNGです。場合によっては、状況を悪化させてしまう可能性もあります。
赤レベルの方が、自動更新エラーが起きたときにやることはシンプルです。
・症状のスクショ(URLバーを写す/エラー文言も)
・直前にした操作のメモ(自動更新の通知→実行/プラグインの自動更新ON など)
・契約サーバー名・プラン(容量やPHPバージョン・WAFの有無を伝えやすくする)
ここまでが揃えて、外注することをおすすめします。これらの情報があると、切り分けが早くなりますので初期見積もりが安価になります。
また、バックアップがあるかどうかも重要情報です。日次バックアップがあるなら「いつ時点まで戻れるか」も控えましょう。
「ダッシュボードに入れるが警告が出続ける」「メンテナンス中の表示が残る」など軽症に見えても、内部でファイルの整合性が崩れていることがあります。その場合は、無理に投稿やテーマ編集を続けないでください。
赤レベルの方は、自力復旧を試さず外注が安全です。準備が整っていれば、復旧そのものは短時間で終わるケースも多いです。
現状把握~直せるところまで
ダッシュボードやFTP/ファイルマネージャーにアクセスできる、管理操作に慣れているオレンジレベルの方向けの安全な順序です。
- 現状把握:Site Health(ツール>サイトヘルス)で重大問題を確認します。ディスク容量・PHPバージョン・モジュール不足・REST API通信エラー・ループバック失敗などをメモしてください。
- メンテナンスモード解除:ルートに.maintenanceが残っていないかを確認します。残っていたら削除のみ行ってください(編集や再作成はしない)。
- プラグイン干渉の切り分け:セキュリティ/キャッシュ/自動更新制御系(例:オートアップデータ・メンテナンス・キャッシュ)を一時停止し、症状が軽くなるかを確認します。
- ファイル権限と所有者:テーマ/プラグイン/アップロード先に書き込みできるかを確認します。サーバーの仕様で書込拒否→自動更新失敗のパターンはよくあります。
- コアファイル再取得(上書き設置):同じメジャーバージョンの公式パッケージでwp-adminとwp-includesをクリーン配置します(wp-contentは触らない)。
- wp-cron確認:スケジュールイベントが滞留していないかを確認、外部cronに切り替えている場合はURL到達性もチェックします。
- 再ログイン&整合性チェック:ダッシュボード>更新で「再インストール」ボタンが見える環境ならここで実行を検討します。完了後にはSite Healthで再確認します。
ここまでで直らない場合、ファイル破損やDBの不整合の可能性が高くなります。以降は誤操作のリスクが跳ね上がるので、無理せず外注切り替えが賢明です。
整合性・ログ・環境起因を詰める
サーバー操作やロールバック、ステージングが運用に組み込まれている、緑レベルの方向けの観点と順序を整理します。
- バックアップ・ステージング:現状スナップショットを取得し、ステージングで再現→検証。差分比較で破損箇所を特定。
- ログ総点検:PHP error log(致命的/パース/メモリ制限)、Webサーバーログ、WAF/ModSecurityログ、オブジェクトキャッシュ/OPcacheの挙動、HTTPタイムアウト。
- 整合性:コアのファイルハッシュ検証、wp-admin/wp-includesのクリーン化、言語パック更新失敗の巻き戻りなども要チェック。
- プラグイン/テーマのオートロード量とメモリ(memory_limit)・実行時間・プロセス数。更新プロセスがタイムアウトしやすい環境設定を見直す。
- Composer運用/Bedrock等:Coreをパッケージ管理している場合、ロックファイルと実体の不整合、デプロイ順序、権限/所有者のねじれを解消。
- wp-cron/外部cron:遅延・失敗ジョブ(wp_version_check/wp_update_plugins/wp_update_themes)の滞留を掃除し、キューを正常化。
- 最小構成での検証:Twenty系テーマ+必要最小プラグインで更新フローを再走。OKなら段階的に戻して犯人特定。
- 最終手段:DB/ファイル整合性を保ったままのロールバック(同一マイナーへ)→再更新。直後に翻訳・言語パックを分離更新して完了。
恒久対策として、ステージングでの先行検証・オブジェクト/ページキャッシュの更新時一時停止・自動更新の対象/タイミング制御・監視と通知の整備を推奨します。
WordPress本体の自動更新エラーを外注する場合のポイント
「画面が真っ白で触れない」「営業中なので早く戻したい」など、時間との勝負なら外注が最短です。
費用感・進め方・準備物をざっと押さえておきましょう。
項目 | ポイント |
---|---|
費用の目安 |
・メンテナンス表示解除や軽微な整合性修正は 5,000~10,000円 ・コア再配置/DB整合・ログ解析を伴う復旧は 20,000円~ ・営業影響が大きい即日対応は割増になる場合あり |
依頼の流れ |
1. 症状の共有(URL・スクショ・直前操作・サーバー情報) 2. 見積・方針の合意(復旧優先/恒久対策の範囲) 3. バックアップ→復旧→動作確認→再発防止の簡易提案 |
準備しておくと便利 |
・管理画面/サーバーのログイン情報(2段階認証がある場合は連絡手段も) ・バックアップの有無と保管先(日時も) ・導入プラグインの一覧と、最近変更した設定のメモ ・営業時間や公開可否(メンテナンスページ表示の要否) |
自動更新エラーは「触りすぎない」が鉄則です。まずは状況固定と情報整理、そして安全な順序での確認が大切です。
赤は外注で短期収束、オレンジは無改変チェックまで、緑は整合性とログで詰めるのが基本ラインです。
復旧後はステージング検証・権限/容量/cron/キャッシュの見直しで再発率を下げられます。
迷ったら、被害拡大を防ぐために、まずはプロに任せる判断も十分アリです。