WordPress業者に依頼する場合の料金相場と見積もりの取り方
この記事はこんな方におすすめ
- 初めて外部パートナーへ依頼するため、費用感や見積項目の「普通」を知っておきたい
- 相見積もりで何を比べれば良いか・どこに注意すべきかを手早く把握したい
- 自社のレベルに合わせて、ムダなく準備するコツを知りたい(素材・要件・体制など)
WordPressレベル別 読みどころガイド
赤:外注依存度「高」 オレンジ:外注依存度「中」 緑:外注依存度「低」
右のレベル表(スマホは画面下)を参考に、記事内の「赤・オレンジ・緑」のパートを読み分けてください。
※「外注依存度」とは、作業や確認を自分でどこまで対応するか、もしくは外注に任せるかの度合いを示しています。
料金相場と見積もりの基本
費用は「依頼範囲(何をどこまで)」「前提条件(素材・環境・納期)」「外注依存度」の3軸で決まります。
まずは目的と成果指標、締切、予算上限、除外範囲を固めると、見積もりの精度が上がり比較もしやすくなります。
作業範囲(どこまでを依頼対象にするか)が曖昧なまま進めると、後追い工数が膨らむので、最小構成でスタートし段階追加がスムーズに進みます。
WordPressレベルごとの確認ポイント
丸投げでOK。ただし「前提」を短く強くそろえる
操作や用語がまだ不安な赤レベルの方は、背伸びせず、目的・期限・予算上限と、好き嫌いの方向性だけを明確に伝え、実現方法は業者に委ねるのが失敗しにくい運び方です。
見積もり項目は細かくなくても良いですが、「作業の内訳」と「除外範囲」は必ず明記してもらいましょう。
確認ポイント
- ゴール(問い合わせ・採用・資料DLなど)とターゲットの一言メモ
- 納期と優先度(スピード重視/品質重視)
- 参考サイト2~3件(好き・嫌いを両方)とNG要素
- 運用体制(誰が更新するか/更新頻度)とサポート希望
- 見積もりは「一式」ではなく工程ごとの内訳+前提条件+除外範囲を依頼
費用の目安
- 5~10ページ規模(テンプレ活用中心):20~50万円
- 素材ゼロからの用意(原稿・写真・ロゴ制作など)や短納期は割増
- 公開後の操作サポート/軽微修正の月額保守:5,000~30,000円/月ほど
準備(最小セット)
- ページ構成のたたき台(トップ/サービス/実績/会社情報/問い合わせ)
- 既存資料(パンフや提案書)・ロゴデータ・ブランドカラー
- レンタルサーバー方針(任せる/指定あり)のメモ
一部は自分で見れる。スコープ漏れにだけ注意
テーマやプラグインに慣れているオレンジレベルの方は、要件の粒度を整えれば、費用最適化の余地が大きいです。逆に定義が甘いと、追加費用が出やすくなる傾向にあります。
確認ポイント
- Must/Should/Won’tで機能を仕分け(CMS更新範囲、フォーム、検索、会員、予約、EC、API、AMPなど)
- 現状メモ:WP/PHPバージョン、使用テーマ、主要プラグイン、既知の課題(速度・レイアウト崩れ等)
- 非機能要件:パフォーマンス(INPやCLSの目標)、セキュリティ、バックアップ方針、運用導線
- 検証条件:ステージング有無、対応ブラウザ/端末、計測(GA4/広告タグ/CV)
- 納品条件:差分リスト、ロールバック手順、簡易マニュアル、保守の開始時期
費用の目安
- 10~20ページ+軽い機能追加:40~100万円
- 会員・予約・多言語・検索強化など中規模機能:+10~80万円(要件次第)
- スピード改善やデザイン改修のスポット:5~30万円
準備(コスパ最強セット)
- ワイヤーフレーム(Figma・手書き可)+参考サイト「どこが良いか」の注釈
- 原稿・写真のドラフト版(公開直前に最終化でOK)
- テスト観点チェック(フォーム、検索、モバイル、速度、OGP、計測)
仕様ベースで発注。差分で見積を詰める
発注範囲の切り出しや運用設計まで見通せる緑レベルの方は、「仕様書準拠の相見積」で比較し、変更点は都度差分見積にするのが良いです。デザインのみ・機能のみ・運用保守のみ等の分業も効果的です。
確認ポイント
- 要件票:画面一覧、状態遷移、入力定義、API I/F、権限、非機能(可用性・性能・セキュリティ)
- データ移行:移行元の構造、件数、変換ルール、WP-CLI/CSV/API、リハーサル回数
- テスト:受入基準、バグ報告フォーマット、パフォーマンス閾値、端末表
- 開発運用:Gitフロー、コード規約、CI/CD、レビュー基準、SLA
費用の目安
- UIデザイン一式:10~40万円(画面数・密度次第)
- 機能追加(要件明確):10~150万円のレンジで上下
- 運用・監視・改善の継続契約:3~30万円/月
準備(仕様駆動セット)
- 仕様書・画面定義・I/F定義、計測設計(GA4・広告・イベント)
- デプロイ手順(本番・ステージング)、権限設計、ロールバック計画
- 運用ガイドライン(更新可否、プラグイン追加基準、脆弱性対応SLA)
制作代行の依頼フロー(一般的な流れ)
- 目的・KPI・期限・予算上限・除外範囲をまとめて共有(1~2段落でOK)
- 前提情報を提示(現環境・素材の有無・担当体制・参考サイト・非機能要件)
- 見積・提案を受領(作業内訳・前提条件・除外範囲・納期案・検証範囲・支払いサイト)
- ステージングで実装→検証→本番反映(差分記録・計測確認・ロールバック手順)
- 納品・引き継ぎ(成果物一式・変更点リスト・運用マニュアル・保守開始時期)
※ レベルに応じて準備の粒度は調整。迷ったら最小構成で依頼→段階追加が安全です。
見積もり・依頼に関するよくある質問
見積の「一式」は危険ですか?内訳はどこまで必要?
「一式」は便利ですが比較が難しく、後からの追加請求の火種にもなります。少なくとも「設計・デザイン・コーディング・機能実装・テスト・移行・計測・ディレクション・予備工数(バッファ)」程度の区切りで出してもらうと、相見積もりで比較しやすくなります。
相見積もりは何社が妥当?どう比較する?
2~3社が現実的です。比較軸は作業内訳・前提条件・除外範囲・納期・検証範囲・体制・支払いサイトです。仕様(または要件メモ)を同一で渡し、条件を揃えて依頼するとフェアに比較できます。
追加費用が発生しやすいポイントは?
要件の言い違い(例:フォームの項目や通知先、バリデーション)、画像や原稿の遅れ、移行データの想定外、パフォーマンス改善の閾値未定義、検証端末の追加などです。Must/Should/Won’tの整理と、非機能要件(速度・セキュリティ)の明文化で回避できます。
支払い条件(支払いサイト)や検収はどう決める?
WordPressは依頼主契約のサーバーで作業する都合上、着手金(30~50%)+納品時残金が一般的です。検収の基準は受入条件(動作・デザイン整合・計測発火・バグ修正の閾値)を文書化し、検収期間(例:5営業日)を決めておくと揉めにくいです。
費用は「範囲・前提・外注依存度」で決まります。迷ったら最小構成で依頼し、必要に応じて段階追加が安全です。
赤は前提(目的・納期・予算)を握って丸投げ、オレンジは要件の粒度を整えてスコープ漏れを防止、緑は仕様準拠+差分見積でコストを制御、この順で精度とコスパが上がります。
相見積もりは2~3社で条件を揃えて依頼するのが良いです。また「一式」ではなく内訳・除外・検証範囲・支払いサイトまで記載してもらい、比較軸を明確にしましょう。
あまりに安すぎる提案は、見積もりの前提が甘い可能性が高いので要注意です。

