プラグインやテーマ更新中に「メンテナンスモード」から戻れないときの対処法

この記事はこんな人向けです
  • 更新後に「メンテナンス中です。しばらくしてからアクセスしてください。」の表示が消えず困っている
  • プラグイン/テーマ更新・自動更新の途中で固まり、ダッシュボードにも入れない
  • 自分で直すか外注して直してもらうか、復旧の判断基準を知りたい

WordPressレベル別 対応難易度

Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7
レベル判断は、右のレベル表(スマホは画面下)を参考にしてください。

赤:外注推奨 オレンジ:条件付き自力可 緑:自力対応可

メンテナンスモードから戻れないときの全体像と対応方針

更新処理の途中で失敗すると、一時ファイル(.maintenance)が残ってサイト全体がメンテナンス表示のまま固まることがあります。
まずは「安全な復旧(切り戻し)」を最優先に、原因切り分け→再発防止の順でシンプルに進めるのがコツです。
ファイル操作や権限周りに不安がある場合は、無理せず早めに外注へ切り替えるとトータルで安全・低コストになりやすいです。

メンテナンスモード ~WordPressレベルごとのおすすめ対応

「復旧の準備」までで直接のファイル操作は避ける

メンテナンス表示が消えない原因の多くは、更新途中で止まって.maintenanceという一時ファイルが残っていることです。ですが、このファイルを削除するにはサーバーのファイル操作が必要で、やり方を誤ると別の不具合(白画面、403/500エラー、パーミッション不整合)を引き起こすことがあります。

赤レベルの方は、無理に自力対応せず、外注に切り替えるのがおすすめです。まずは状況を整理しておきましょう。

  • 発生タイミング(どのプラグイン/テーマ更新中だったか、自動更新が動いたか)
  • 画面キャプチャ(メンテナンス表示、アクセス不可のURL)
  • 直前に実施した操作(更新、インストール、削除、PHPバージョン変更など)

この「最低限の現状メモ」があるだけで、復旧がスムーズになり、費用見積もりも正確になります。
やみくもにプラグインを再更新/再インストールしたり、管理画面に入れないのにキャッシュ系サービスを切り替えたりするのは逆効果になりがちです。

影響を最小化しながら「表示回復」へ

普段からWordPressの基本操作に慣れている方で、レンタルサーバーの「ファイルマネージャー」やFTPクライアントの使い方がわかるオレンジレベルの方なら、慎重に進めれば自力で回復できるケースもあります。
ここでは「安全第一」でやるべき順序と判断ポイントを整理します。

  • まずは情報収集:サイトトップ/管理画面(/wp-admin/)/ログインページ(/wp-login.php)の挙動を確認します。すべて同じメンテナンス表示か、どこかだけ違うのかをチェックしてください。
  • 影響範囲を見極める:CDNやWAFを使っている場合は、キャッシュの影響で表示が残っている可能性もあります。別ブラウザ/シークレットウィンドウ/モバイル回線で再確認します。
  • サーバーに入れるか:コントロールパネルから「ファイルマネージャー」を開けるなら、ルート(WordPressを置いているディレクトリ)を閲覧できるかを確認します。
  • バックアップの存在:直近の自動バックアップやスナップショットがあるかを確認します。なければ、この先の操作はリスクが上がるため外注をおすすめします。

ここまでで「自分で安全に触れそう」と判断できたら、.maintenance を取り扱う前に、サイトのディレクトリやデータベースのバックアップ取得を最優先にします。取得方法が曖昧なら、無理せず外注しましょう。

次に、更新中に固まりやすい要因を整理して再発防止の糸口を掴みます。

  • サーバーの一時的なタイムアウト(転送遅延、PHPの最大実行時間超過)
  • プラグイン/テーマの互換性(PHPバージョン差、依存関係の崩れ)
  • ディスク容量不足(アップデート時の展開・退避に容量が必要)
  • 同時更新(複数プラグインの一括更新で処理が集中)
  • 外部サービス(WAF/CDN/セキュリティ)による一時ブロック

「とりあえず元に戻す」のが最優先です。表示回復後に原因の深掘り(ログ確認、互換性チェック、更新手順の見直し)を行うのが安全です。
少しでも不安を感じたら、その時点で外注へ切り替えるのが賢明です。

復旧フローと再発防止の設計

サーバー/権限/PHP設定の概念がわかっている緑レベルの方は、下記の順で復旧を行えます。
実際にやるときの作業の流れをステップごとに整理します。

  1. 安全確保:稼働中サイトのフルバックアップ(ファイル・DB)。メンテナンス窓口があれば関係者へ周知。
  2. 表示回復:一時ファイル起因であれば適切に撤去し、フロント表示と管理画面再ログインを確認。
  3. 健全性チェック:更新が中途半端で止まったプラグイン/テーマがないか、バージョンの不整合や残存一時ファイルを点検。
  4. 原因分析:エラーログ/PHP-FPMログ/Webサーバーログからタイムアウト・権限・容量・ネットワーク要因を切り分け。WAFやCDNのルール・キャッシュも併せて確認。
  5. 再発防止:一括更新の回避、ステージング環境での事前検証、バックアップとロールバック手順の標準化、更新タイミングの分散、PHP/WordPress本体の互換性ポリシー策定。

ポイントは「復旧」と「恒常対策」を分けること。まずはダウンを最短で解消し、次に更新運用(メンテナンスウィンドウ、通知、検証、承認、実行、検証、ロールバック)のループを整えると安定します。

メンテナンスエラー修正を外注する場合のポイント

メンテナンスモードで固まった状態は、長くなるほど売上機会損失やSEOにも影響しやすいです。プロに任せて短時間で復旧させるほうが結果的に低コストなことも多いです。

項目ポイント
費用の目安 ・軽微な復旧(表示回復のみ):8,000~15,000円
・更新やり直し/容量・権限調整まで:20,000~40,000円
・ステージング構築や再発防止設計含む:50,000円~(規模次第)
・深夜・至急対応は割増になることがあります
依頼の流れ 1. 状況共有(いつ・何を更新して止まったか/表示のスクショ/サイトURL)
2. 概算見積もり&作業範囲の合意(復旧のみか、原因調査・恒久対策までか)
3. バックアップ→復旧→確認→再発防止の提案まで実施
準備しておくと便利 ・サーバーの管理URL(コントロールパネル)、契約情報(プラン/容量)
・WordPressログインURL、テーマ名/主要プラグイン名、更新履歴のメモ
・CDN/WAF/キャッシュサービス利用の有無(Cloudflare等)
・希望の作業時間帯(メンテナンスウィンドウ)と優先度

メンテナンスエラー再発防止のチェックリスト

  • 一括更新を避ける:プラグインはグループを分け、短い間隔で順次更新して挙動確認。
  • ステージングで事前検証:テーマや主要プラグインの大規模アップデートは本番前にテスト。
  • バックアップ自動化:ファイル+DBの世代管理と復元テストを定期運用に組み込む。
  • 容量監視:ディスク使用率の閾値アラート設定(更新時は一時領域が必要)。
  • メンテナンスウィンドウ:アクセスが少ない時間帯に実施し、告知・確認・ロールバック手順を用意。
  • 互換性ポリシー:PHP/WordPress本体のサポート範囲と、テーマ・プラグインの対応表を管理。
まとめ

メンテナンスモードにハマる主因は、更新処理の中断で一時ファイルが残ることです。まずは安全に表示回復し、その後に原因と運用を整えるのが近道です。

は外注で安全に復旧、オレンジはスキルと条件が整えば自力で表示回復、は復旧と再発防止をセットで設計後修正。ただ、無理は禁物です。

更新は「設計された運用」に乗せると安定します。バックアップ・検証・段階更新をルール化すれば、同じトラブルを繰り返しにくくなります。

この記事を書いた人
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桐山智行(株式会社H.T.P. 代表)

2007年よりWeb制作に従事し、現在は企業サイトやWordPressの保守・改善支援も行っています。これまで100社以上・500サイトを超える案件を担当し、トラブル対応から集客サポートまで幅広く経験しています。

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