プラグイン更新でサイトがエラーになるときの原因と対処
- プラグイン更新後に「真っ白」「500エラー」「Critical Error」が出て困っている
- キャッシュ削除や再インストールを試したが直らず原因の見当がつかない
- 自力で直すか外注するか、判断の目安を知りたい(安全なロールバック方法も知りたい)
WordPressレベル別 対応難易度
赤:外注推奨 オレンジ:条件付き自力可 緑:自力対応可
プラグイン更新でサイトがエラーになるときの全体像と対応方針
プラグイン更新後の不具合は、互換性/依存関係/キャッシュあたりに集中します。まずは「切り戻しで表示復旧→原因の切り分け→恒久対応(バージョン固定や代替検討)」の順で、被害を広げずに進めるのがセオリーです。
自分のレベルに合わせて、無理せず安全第一で対応しましょう。
プラグイン更新エラー ~WordPressレベルごとのおすすめ対応
表示復旧を最優先
更新直後に「画面が真っ白」「Critical Error」「500/502」などが出たら、焦らずに表示の復旧(ロールバック)を最優先にします。コード編集やデータベース操作は被害を拡大させる恐れがありますので、おすすめしません。もし復旧できない場合は、外注・専門家へ相談が安全です。
依頼前に準備しておくと良い情報が次の項目です。
- エラーが出るURLと症状(スクリーンショット)
- 直前に更新したプラグイン名とバージョン、更新日時
- テーマ名/WordPressのバージョン/PHPバージョン(わかる範囲でOK)
やりがちなNGも挙げておきます。
- なんとなく他のプラグインも更新/停止を繰り返して症状を悪化させる
- 適当な修復系プラグインを追加して依存関係を複雑化させる
- バックアップなしでファイルやDBを触る
赤レベルの方は、「状況の共有」までで止めるのがベストです。表示が戻れば機会損失を止められますし、その後の恒久対応はプロに任せた方が速くて確実です。
安全な復旧と基本の切り分け
ダッシュボードに入れる/FTPに慣れているオレンジレベルの方なら、次の「安全に戻す」→「どれが原因か切り分ける」までを自力で行えます。
1) まずは表示復旧
- 管理画面に入れる場合:当該プラグインを停止 → 直前の安定版へ戻す(Zip再インストールなど)
- 入れない場合:FTP/SFTPで /wp-content/plugins/該当プラグインフォルダ を一時的にリネームする(停止扱いになる)
- キャッシュ系やCDN(例:Webサーバーキャッシュ/Cloud系CDN)を一度クリアして表示確認する
2) 原因の切り分け(よくある元凶)
- PHPバージョン不整合:プラグインが要求するPHPに満たない、または新しすぎて非互換
- テーマ・他プラグインとの競合:同名関数の再定義、オートローダ競合、REST APIフックの衝突
- キャッシュ関連:ページキャッシュ/オブジェクトキャッシュ/OPcacheの残骸で「古いコード×新しいDB」状態
- DBマイグレーション失敗:更新時のテーブル作成やオプション更新が中断
- 権限/パーミッション:更新後にファイル権限が崩れて読み込み失敗
3) 恒久対応の方針
- 問題が再現する組み合わせ(プラグインA+B、テーマ◯◯の時など)をメモ
- 互換性が取れない場合は代替プラグインや機能統合を検討
- 安定版へ固定(自動更新OFF)。大規模更新はテスト環境で先に検証
ここまでやっても不明な場合は、ログの取得(WP_DEBUG_LOGなど)や詳細調査が必要です。
無理に深追いせず、情報を添えて外注へ切り替えたほうが早いですので、コストと比較して検討することをおすすめします。
ログから原因究明、再現手順の確立まで
サーバー/DB/WP-CLIに慣れている緑レベルの方なら、表示復旧後に恒久対策まで詰められます。代表的な観点は次の通り。
- ログ解析:PHPエラーログ、WP_DEBUG_LOG、サーバーアクセスログ、リバースプロキシ/WAFログ
- 依存・互換性:要求PHP/WordPressバージョン、Composerオートロード、名前空間の衝突、MU-pluginsの影響
- キャッシュ階層:ページ/オブジェクト(Redis/Memcached)/OPcache/CDNを段階的に無効化し再検証
- DBマイグレーション:オプション値(autoload肥大化)やテーブルスキーマ差分、途中失敗の巻き戻し
- 権限/ファイル整合:パーミッション、所有者、シンボリックリンク、Bedrock系構成でのパスずれ
- 再現手順の確立:ステージングで該当バージョンへ上げ→再現→修正→回避策(パッチ/設定)→本番適用
運用面では、自動更新の粒度管理(軽量更新は自動/メジャー更新は手動)、リリースノートの監視、バックアップのプレ/ポスト検証、監視通知(稼働・応答・エラーレート)を整えると再発率を大きく下げられます。
最終的に根本がプラグインの仕様変更にある場合は、ダウングレード固定+代替検討や、必要であれば軽いカスタム実装で置き換える判断も有効です。
プラグイン更新エラー修正を外注する場合のポイント
「売上影響が大きい」「いつまでに直したい」など期限・重要度が高い場合は、早めの外注が良コスパになります。費用感・流れ・準備物を確認しましょう。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 費用の目安 |
・表示復旧+原因切り分け(軽微)… 10,000~20,000円 ・競合調整/設定最適化… 20,000~50,000円 ・根本改修(置き換え/部分実装)… 50,000円~(規模次第) ・緊急対応(即日)や深夜帯は割増のことあり |
| 依頼の流れ |
1. 症状・更新履歴・環境情報を送る(WordPress/PHP/テーマ・主要プラグイン) 2. 概算見積と進め方(まず復旧→原因調査→恒久対応)を確認 3. 作業用アカウント/接続情報を共有 → 復旧 → レポート&再発防止策 |
| 準備しておくと便利 |
・更新前後のバージョン、更新日時、変更履歴(可能なら) ・エラー画面のスクショ/URL、再現手順 ・サーバー種別、キャッシュ/CDNの有無、バックアップの所在 ・優先度(公開期限、広告稼働など)とダウンタイム許容 |
プラグイン更新起因の不具合は、切り戻し→切り分け→恒久対応の順で進めると被害と工数を最小化できます。多くは互換性やキャッシュ、DBマイグレーションが原因です。
赤は安全第一で外注、オレンジは復旧と基本切り分けまで、緑はログ・依存・運用設計まで踏み込むのが目安です。
今後は、ステージング(テスト環境)検証/バックアップ検証/更新ポリシー整備で再発率を下げましょう。迷ったら早めに相談するのが近道です。

