既存プラグインの不具合を外注で修正する場合の注意点
- プラグイン更新後に画面が真っ白・エラー表示になり、何から手を付ければいいか迷っている
- 特定機能だけ動かない/管理画面だけ重いなど、原因がプラグインかテーマか判断できず困っている
- 自力で直したいが、本番での再発やデータ破損が怖いので、外注の使いどころも知っておきたい
WordPressレベル別 対応難易度
赤:外注推奨 オレンジ:条件付き自力可 緑:自力対応可
既存プラグインの不具合修正の全体像と対応方針
既存プラグインの不具合は、「相性問題(競合)」「PHP/WordPressバージョン非対応」「設定不備」「更新ミス」、多くのケースはこの4つに当てはまります。
原因切り分けは「再現条件の記録→ログ確認→無効化/切り戻し→検証環境で再現テスト→恒久対策」の順が鉄板です。
本番を止めない・データを壊さない前提で、難易度に応じて自力と外注を上手に切り替えるのがコスパ最強です。
既存プラグインの不具合修正 ~WordPressレベルごとのおすすめ対応
「止めない・壊さない」が最優先
プラグイン不具合は、ちょっとした操作でサイト全体が止まることがあります。
特に「サイトが止まる=直接の損失」になる場合、自力での深追いは禁物です。
赤レベルの方がやっておきたいのは次の3点です。
- 不具合の再現条件をメモ(どの画面で、何をしたら、どうなったか/日時/端末とブラウザ)
- 該当プラグイン名・バージョン・更新履歴(Changelog)・直前に行った操作(更新・新規導入・設定変更)を記録
- 可能なら画面のスクリーンショットやエラー文言を保存
ここまで揃えば、原因の当たりを早く付けられます。無理にプラグインを入れ替える/削除するより、切り戻し(直前の正常状態に戻す)や、一時的な回避策を外注先から提案してもらう方が被害を最小化できます。
「サイトが止まって売上・問い合わせが落ちている」「管理画面すら開けない」なら、即外注が安心です。作業はステージング(検証環境)で行い、本番反映は計画的に行いましょう。
切り戻しと検証環境を必ず用意
ある程度WordPressに慣れているオレンジレベルの方なら、「本番を止めない」前提で基本の切り分けを進められます。
具体的には次の点になります。
- バックアップの取得(ファイル+DB、復元テスト済みなら理想的)
- WP_DEBUG / ログを確認(error_log、サーバーログ、Query Monitor、Site Health)
- 問題のプラグインを一時停止し、症状変化を確認(競合の当たりを付ける)
- 直前の更新なら、ロールバック(旧バージョンへ戻す)で挙動確認
- ステージングで最小構成(デフォルトテーマ+必要プラグインのみ)を作って再現テスト
ここまでやると、多くのケースで「Aプラグイン×Bプラグインの競合」「PHP8.1/8.2非対応」「テーマ側の古いフック」など原因の輪郭が見えてきます。
そして、見えたら次の選択肢を検討します。
- 代替プラグインに切替(データ移行の可否・費用とのバランス)
- 該当プラグインの設定変更/機能の部分的停止での回避
- 開発者のサポートフォーラム/Issueへ情報を添えて問い合わせ(再現条件・環境情報・ログ)
- 小規模なカスタムフックでの応急パッチ(※本番直適用はNG、必ずステージングで検証)
ただし、会計・決済・会員管理のようなクリティカル系、あるいはDBスキーマ変更やデータ移行が絡む場合は、外注に切り替えるのが賢明です。被害が広がる前に、費用対効果で判断しましょう。
技術的負債を減らし、再発率を下げる
自作テーマやプラグイン開発経験がある緑レベルの方なら、恒久対策まで踏み込みます。
ポイントは「再現→原因→暫定回避→恒久修正→回帰テスト→監視」。
- 互換性マトリクス(WP/PHP/プラグイン/テーマの対応表)を作り、更新前に衝突を検知
- E2E/ユニットテストや自動テストを最低限で用意(更新前後の差分検証)
- サーバーのOPcache/APCu・オブジェクトキャッシュ・CDNの無効化/再ウォーム手順を標準化
- 小規模不具合はmu-pluginsでのピンポイント補正や、action/filterでの上書きを検討(アップデート耐性)
- 本番反映はBlue-Greenデプロイやメンテ時間の短縮を意識
また、ベンダーにエビデンスを添えて報告(再現動画/ログ/環境差分)すると、修正が取り込まれやすくなります。
運用では更新ポリシー(緊急・通常・凍結)とリリースノートの保存を徹底して、将来のトラブルシュートを時短しましょう。
既存プラグインの不具合修正を外注する場合のポイント
被害拡大を抑えつつ短時間で復旧するには、情報の粒度と進め方がカギです。ざっくり把握しておきましょう。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 費用の目安 |
小規模な設定不具合やロールバックで8,000~20,000円程度 競合解析やコード調査・恒久対策の設計を含むと20,000~60,000円程度 決済・会員・多言語・予約などクリティカル領域やデータ移行が絡むと60,000円~になることも。 至急対応は割増の可能性あり(夜間・週末・当日中など)。 |
| 依頼の流れ |
1. 症状と再現条件・影響範囲を共有(売上/CVへの影響、いつから発生)。 2. 見積と方針を確認(応急復旧→恒久対策の二段構えが基本)。 3. ステージングで検証→本番反映(切り戻し点を明確化)。 4. 事後レポートと再発防止策(更新ポリシー、監視方法、次回の優先度)。 |
| 準備しておくと便利 |
管理画面URL、対象プラグイン名/バージョン、WordPress・PHP・サーバー環境情報。 再現手順のメモとスクリーンショット、発生日と直前の操作(更新・導入・設定変更)。 バックアップ有無、ステージングの可否、キャッシュ系(LSCache/Cloudflare等)の有無。 テーマ名・子テーマの有無、最近入れたプラグイン一覧(インストール順が分かると最高)。 |
プラグイン不具合は「直す」より先に「止めない・壊さない」の設計が重要です。再現条件とログの確保、切り戻しと検証環境の用意だけで、解決までの道のりは一気に短くなります。
赤は迷わず外注、オレンジは切り戻し&ステージングが整っていれば自力も可、緑は恒久対策まで設計、これが基本方針です。
売上や予約に直結するサイトは、応急復旧と恒久対策を分けて発注すると、スピードと品質の両取りがしやすいです。記録を残す習慣をつけて、次の更新で同じミスを繰り返さない運用を心がけましょう。

