保守費を削減するための見直しポイントと注意点
- 毎月のWordPress保守費が高いと感じている
- 契約内容を見直したいが、どこを削っていいかわからない
- トラブル時の対応やリスクを踏まえて、適正価格を知りたい
WordPressレベル別 読みどころガイド
赤:外注依存度「高」 オレンジ:外注依存度「中」 緑:外注依存度「低」
右のレベル表(スマホは画面下)を参考に、記事内の「赤・オレンジ・緑」のパートを読み分けてください。
※「外注依存度」とは、作業や確認を自分でどこまで対応するか、もしくは外注に任せるかの度合いを示しています。
保守費を削減するときの全体像と対応方針
WordPressの保守契約には、更新・バックアップ・トラブル対応・セキュリティ監視などさまざまな項目が含まれます。
ただし、すべてが自社に必要とは限りません。
内容を分解して「外注に残す部分」と「自分でできる部分」を整理することが、費用削減の第一歩です。
保守費を削減するための見直しポイント ~WordPressレベルごとのおすすめ対応
初心者はむやみに削らない
「保守費が高いから削りたい」と思っても、赤レベルの方がすべて自力で管理するのは危険です。
WordPressは常に更新されており、テーマやプラグインの互換性が崩れることもあります。
特にセキュリティ面は見落としがちです。脆弱性は常に発見されていますし、自動バックアップやSSL証明書の更新などを怠ると、トラブル発生時に復旧できなくなる可能性もあります。
このレベルでは、「更新・バックアップ・トラブル対応」の基本保守は残しつつ、月次レポートや軽微修正など不要な項目を削る程度が現実的です。
まずは契約書を見直し、「どんな作業が含まれているのか」を把握することが最優先です。
それがわかれば、優先順位をつけて無駄を省ける可能性はあります。
中級者は自社管理の範囲を広げる
WordPressの管理画面やプラグイン操作に慣れているオレンジレベルの方なら、保守内容の一部を自社対応に切り替えることが可能です。
例えば、
・テーマやプラグインの更新を自分で行う
・軽微な文言修正や画像差し替えを自社で完結させる
・バックアッププラグインを導入して定期保存を自動化する
といった方法で、月額費用を大きく抑えられます。
ただし、更新時にサイトが真っ白になるなど、万一のトラブルが起きたときに対応できるかが重要です。
バックアップと復元テストを事前に行い、「いざというときに戻せる」状態を作っておきましょう。
また、セキュリティ監視や障害対応など「24時間監視が必要な領域」は外注のままにしておくのが安心です。
上級者は契約形態を最適化する
サーバー管理やPHPエラー対応ができる緑レベルの方なら、保守契約を最小限に絞ることが可能です。
実運用では「スポット対応+監視サービス」など、柔軟な組み合わせが費用対効果を高めます。
たとえば、
・定期更新は自社、緊急時だけスポット依頼
・外注先を1社に固定せず、内容ごとに分担
・不要なサーバープランや有料プラグインの整理
といった工夫で、年間コストを30~50%削減できることもあります。
一方で、作業履歴や設定情報の共有不足からトラブルが起きるケースも。
社内管理を進めるほど、ドキュメント化と情報整理が欠かせません。
削減だけに目を向けず、「最小コストで最大リスクを防ぐ」バランスを意識するのが上級者のやり方です。
外注する場合のポイント
保守費を見直すときは、いきなり解約ではなく「項目の再構成」から始めましょう。
無駄を省きつつ、必要な部分だけを残すのが理想です。
| 項目 | ポイント |
|---|---|
| 費用の目安 |
・月額保守は 5,000~20,000円 が一般的 ・緊急対応を含むフルサポート型は 30,000円~ ・年単位契約で割引がある場合もある |
| 依頼の流れ |
1. 現行契約の内容を洗い出す 2. 必要な範囲をリスト化(更新・復旧・監視など) 3. 業者に再見積もりを依頼 4. 条件が合えば契約更新または切替 |
| 準備しておくと便利 |
・契約中の作業内容の明細書 ・サイト構成図やプラグインリスト ・バックアップ設定の有無 ・緊急連絡先と権限情報(サーバー/管理画面) |
保守費の削減は、単なるコストカットではなく「必要な安心を残すための再設計」です。
内容を理解して取捨選択すれば、ムダなく運用できます。
赤は削減は慎重に、オレンジは部分的に自社化を検討、緑は最適化と共有強化が目安です。
見直しをきっかけに、契約先との関係性や更新体制も整理しておくと、長期的な安定運用につながります。

