管理画面に入れないときに試す5つの手順と外注目安

この記事はこんな人向けです
  • WordPressの管理画面に突然入れなくなり、まず何を試せばよいか知りたい
  • 自力で直すか外注するか、判断基準と費用感の目安を押さえたい
  • キャッシュやCookie、プラグイン、サーバー設定など基本チェックを体系的に確認したい

WordPressレベル別 対応難易度

Lv1 Lv2 Lv3 Lv4 Lv5 Lv6 Lv7
レベル判断は、右のレベル表(スマホは画面下)を参考にしてください。

赤:外注推奨 オレンジ:条件付き自力可 緑:自力対応可

管理画面に入れないときの全体像と対応方針

「ログイン画面に戻される」「真っ白で何も出ない」「エラーが表示される」など、症状はさまざま。
まずは被害の拡大を防ぎつつ、再現性と直前の操作をメモして原因を絞り込みます。
自力で進める範囲と外注に任せる境界を意識し、レベル別の判断軸で動くと安全です。

管理画面に入れないとき ~WordPressレベルごとのおすすめ対応

ムリせず「状況の見える化」に徹するのが最短

管理画面に入れない原因は、入力ミス・キャッシュ・プラグインの不整合から、PHP更新やWAF設定、.htaccess/Basic認証などサーバー要因まで幅広く、赤レベルの方がいきなり触ると悪化しがちです。

この段階では、下記の記録を取ることに集中しましょう。これだけでも外注時の特定が一気に速くなります。

  • どのURLで止まっているか(ログインURL、リダイレクト先)
  • 具体的な症状(再ログイン要求、真っ白、403/404/500、エラーメッセージなど)
  • 直前に行った操作(プラグイン更新・テーマ変更・PHPバージョン変更・CDN/WAF有効化 等)
  • 別ブラウザ・別端末・シークレットモードの結果(再現性)
  • サーバー会社・プラン名・SSL/WWW有無など基本情報

自力で直すよりも正確に伝えるほうが結果的に早くて安全です。
ログイン不可が長引くと、放置中の脆弱性やバックアップ未整備といった副作用も増えますので、迷ったら早めに外注を検討しましょう。

まず試す「5つの手順」

普段から投稿やプラグイン管理に慣れているオレンジレベルの方は、サイトを壊さない範囲で次の5つの基本手順を順番に試します。いずれも「書き換えや削除を伴わない」「元に戻せる」操作に限定しています。

  1. ブラウザ要因を排除:キャッシュ/Cookieの削除、シークレットモード、別ブラウザ・別端末で再ログインを試す。
  2. URL・認証の再確認:ログインURLの表記ゆれ(www/非www、http/https)やBasic認証の有無、2FA(二要素認証)アプリの時刻ズレをチェック。
  3. プラグイン由来の切り分け:フロント側に入れることができれば、直近で更新/追加したプラグインのみ一時停止して挙動を確認(全停止は避ける)。
  4. テーマ切り替えの影響確認:管理画面に入れる別アカウントがあれば、前のテーマに戻す/子テーマを一時的にオフにして再テスト。
  5. サーバー設定の見直し(閲覧側):WAFのブロックログ、リダイレクト/キャッシュ(CDN含む)を管理画面URLだけ一旦無効化して変化を見る。

ここまでで改善しない場合、原因がユーザーデータやwp-config.php、.htaccess、セッションやデータベースの整合性、PHP/モジュール不整合など“中の層”に潜っている可能性が高いです。バックアップ/ロールバックの発想が必要になるため、外注切り替えのサインです。

なお、サーバーのエラーログやアクセスログを見るだけなら低リスクですが、内容の解釈と対処は踏み込む作業です。無理に進めず、状況メモなどを添えて相談しましょう。

最短ルートで安全に戻す

SSH/FTPやphpMyAdminに慣れていて、ステージング/バックアップ運用経験がある緑レベルの方なら、自力復旧も現実的です。
やることのマッピングは以下。順序とリスク感覚がカギです。

  • ユーザー認証層:phpMyAdminでユーザー/メール/権限を点検、パスワードリセットの可否やロック系セキュリティプラグインの設定を確認
  • 構成ファイル層:wp-config.phpのURL定義、Cookie/セッション関連定数、DB接続/プレフィックスの齟齬を点検
  • 配布物層:直近のプラグイン/テーマ更新を時系列でロールバック、mu-plugins/ドロップイン(advanced-cache.php 等)も確認
  • Webサーバー層:.htaccessの書き換えループやBasic認証の二重化、FastCGIキャッシュ/CDNのバイパス、WAFのホワイトリスト化
  • 実行環境層:PHPバージョン/拡張、OPcacheのクリア、メモリ制限/プロセス上限、モジュールの互換性
  • ログ/観測:error_log・アクセスログで時刻と症状を突き合わせ、再現手順を固定。復旧後は監査ログ/通知を整備

重要なのは、いつでも巻き戻せる状態で試すこと。スナップショットを切ってから1つずつ変更→検証→記録の順で進めると、最短で安全に戻せます。時間対効果を見て途中から外注へ切り替える判断も合理的です。

管理画面に入れないときに外注する場合のポイント

「今日中に復旧したい」「触るのが怖い」と感じたら、早めの委託が結果的に安上がり。
要点を押さえて伝えるだけで、見積もりも工数もブレにくくなります。

項目ポイント
費用の目安 ・軽微(キャッシュ/URL/2FA 由来の設定調整):5,000~15,000円
・プラグイン/テーマ絡みの切り分け~復旧:15,000~30,000円
・サーバー/DB/構成ファイルまで踏み込み:30,000円~
・深夜/即日/至急対応は割増になることあり
依頼の流れ 1. 症状・再現手順・直前操作を共有(スクショ/時刻/URL)
2. 概算見積→作業範囲とリスク説明を確認
3. バックアップ取得後に復旧作業→結果報告と再発防止の提案
準備しておくと便利 ・ログインURLと発生中のエラー表示(403/500/リダイレクト等)
・サーバー情報(会社名/プラン、WAFやCDNの有無、PHPバージョン)
・発生前後の操作履歴(更新/導入/設定変更のメモ)
・可能ならバックアップ/ステージング環境の有無
まとめ

管理画面に入れない時は、むやみに触るほど泥沼化します。まずは症状の記録で原因を絞り、は記録集中・外注推奨、オレンジは基本の5手順で低リスク検証、は巻き戻し可能な手順で最短復旧という指針で動きましょう。

復旧後は、2FA/バックアップ/検証環境/ログ監視を整えると再発率が激減します。時間価値が高いなら、初動で専門家に渡すのも賢い選択です。

この記事を書いた人
著者アイコン

桐山智行(株式会社H.T.P. 代表)

2007年よりWeb制作に従事し、現在は企業サイトやWordPressの保守・改善支援も行っています。これまで100社以上・500サイトを超える案件を担当し、トラブル対応から集客サポートまで幅広く経験しています。

その他のWordPress関連記事はこちら

  • Lv1 初心者 初心者 … ログインなど基本も不安
  • Lv2 基本操作 基本操作 … 投稿OK/更新は不安
  • Lv3 投稿メイン 投稿メイン … 記事更新・差替えはできる
  • Lv4 更新ユーザー 更新ユーザー … テーマ/プラグイン更新経験あり
  • Lv5 データ操作 データ操作 … DBやバックアップを理解
  • Lv6 カスタマイザー カスタマイザー … 子テーマ・CSS修正が可能
  • Lv7 マスター マスター … コード/サーバーまで自走可能